アメリカJCC

2013年01月22日(火) 18:00

 手を出してはいけない「雪で中止→翌週に続行」の日程合わせのようなレースにまで参加して、手痛い目にあってしまった。「東海S」か「京成杯」あたりを軽く回顧してお茶を濁したい気分だが、でも、それは許されないだろう。アメリカJCCを振り返って、できることならファンや関係者の建設的な意見を引き出す小さな叩き台になりたい。

 アメリカJCCの最後の直線で、降着か、いや、それには相当しないのか、多くの人びとの見解が分かれる「進路妨害」が生じた。新しい降着制度を告知し、ファンや関係者の理解を深めようと各所で流している「映像」そのもののような進路妨害である。

 あれから2日ほどたって痛切に思うのは、こういうケースは、日をおかずJRAの審判部、裁決委員、開催委員などによる、ファンや関係者に理解してもらうための「説明、広報」が必要である。「制裁事項、その他」として発表されるものや、「裁決レポート」としてJRAのホームページに載るものではあまりに不親切である。

 また、裁決レポートにある「…ダノンバラードより先に入線したとは認めなかったため…」の説明文など、認めるとか、認めないとか、単語そのものは不自然ではないが、文面の根底がきわめて高圧的であり、JRAの公式見解としては、時代錯誤のあまりにせつない告知である。内部文書ではない。ファンの見るページである。理解していただきたいという気配りと、真摯な姿勢が決定的に欠けている。

 アメリカJCCのゴール前約160m地点で起こった出来事に対し、裁決委員の判断すべきは、次のような点だったと思われる・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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