ジョッキーの防寒対策など、太が明かす冬競馬の舞台裏

2013年02月12日(火) 18:00

「園田と中央のダートの違いは?」というユーザーの質問から、過酷な冬競馬の話になり…。冬場のダート競馬の危険性や、体重との戦いとなる防寒対策など、ジョッキーだけが知る冬競馬の舞台裏を語ってくれました。

■レース中は、寒さなんて全然感じない!?
──今回は、ダート競馬が多いこの時期ならではといいますか、「園田競馬のダートと中央競馬のダートは、どこが違いますか?」という質問がきています。

小牧 まず、砂の質が違うね。中央の砂は、やっぱり質がいいし、よく手入れされていると思う。地方でも年に何度か砂の入れ替えをしているけど、やっぱり重いね。なんでかわからんけど、ゴーグルや馬具にものすごぐ引っ付くんですわ。

──砂厚の違いもありますよね。

小牧 地方のほうが深いね、たぶん。

──中央は一応、全場8センチと決められていますからね。

小牧 そうなんや。初めて知ったわ(笑)。この時期はね、地方も中央も凍らんように凍結防止剤を撒いているから、砂に粘り気が出て、めちゃくちゃ引っ付く。これにはホンマに苦労してます。簡単に乗っているように見えるかもしれんけど、ホントに前が見えなくなることがある。この時期は毎年やね。

砂で視界不良になることも

砂で視界不良になることも

──みなさん、透明の砂除けを重ねてしていらっしゃいますものね。

小牧 そうそう、通称ダート板ね(おもにバレットがアクリル板を切って、手作りしている)。2枚は絶対にしているし、3枚していることもある。とくに、内でずーっと我慢せなアカンような馬のときには3枚やね。そもそも、前は重ねてしているジョッキーなんていなかったのに、最近の傾向なんかなぁ。まぁ、凍らせないことも大事やから仕方がない面もあるけど、今年の京都はとくにひどいね。前が見えないのはホンマに往生するねん。

──それは改善の余地ありですね。

小牧 ホンマやねぇ。馬の目にも絶対に引っ付いているはずやのに、よう目を開けていられるなと思って。馬って不思議やわ。

──続いても、冬競馬ならではの質問です。「冬場の競馬はものすごく寒いと思うのですが、ジョッキーのみなさんは防寒対策などされているのでしょうか?」というものです。

小牧 この前はね、カイロを貼ってた。それだけで全然違うねん。ただ、カイロのぶん、体重が重たくなるからねぇ。腰にもう1枚貼ろうと思ったけど、そのぶん重くなるんやったら、なんか食べたほうがいいわ、と思ったり・・・

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小牧太

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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