2013年02月18日(月) 18:00
歴史上の大人物には、「しつこい」、「受けた恨みは一生忘れない」という粘着性気質が多分にあったといわれている。大物は「ドッシリと構えて度量が広い」というのは大嘘で、実はみみっちくて吝嗇家(要はケチな人)だったりするというのは意外で面白い。
大物かもしれないオオヤブ
オオヤブが一人暮らしをしていた20代前半のある日、ティッシュが散乱していてまるでゴミ溜めのような部屋に友人が泊りに来た。しかし当のオオヤブはバイトがあったので、友人を残してそのままバイトへ。朝、帰宅してみると友人はすでに帰途についていた。なんとなく嫌な予感がしたというオオヤブは、貴重な食料ストックの中から、大好きな『サッポロ一番みそラーメン&卵1個&微量の増えるわかめちゃん』が無くなっていることを発見。しかも大切な小銭貯金から120円が紛失している(けっこうマメに総額を数えていたんだな)。犯人はその友人なのだろうが(玄関の鍵が開けっ放しだったので100%とはいえない)、「丼と鍋ぐらい洗ってけよ!」という捨て台詞を吐きつつ超激怒したオオヤブは、その友人とそれ以来ずっと絶縁したままだという。そのほとぼりは一向に冷めず、15年以上経った今でも思い出すとイライラして「眠れなくなっちゃう(←古い!)」らしい。どうやらこの怒りは墓場まで持っていく覚悟のようだ。気持ちはわからないでもないが、もうそろそろ時効じゃないの?
飲食店での逆恨みエピソードにも事欠かない。普段からけっこう贔屓にしていた中華料理屋で、水餃子を頼んだ、頼まないで揉めたオオヤブ。結局頼んでいない(オオヤブ曰く)水餃子をしぶしぶ食べる羽目になり、帰りのレジで再び店員とバトル。その水餃子自体は超美味くて至極満足したようだが、以後、一度もその店には行っていないとのこと。こうした自分への不届きがあった店には二度と行かないのがオオヤブのポリシーなのである。こいつが某サイト(飲食店の評価サイト)のヘビーユーザーだったらと思うとゾッとするぞ。
お茶が昼飯代わり!?
「カレー食いてぇ〜」なんて言いつつ、顔では笑っていても内心は引きずりまくりで、「最初なんだから様子見でいいんじゃね、とかいいましたよね?」とこちらに言いがかりはつけてくるし、2着に敗れた馬の鞍上の蛯名にも「追えねえなぁ、クソッ」とやさぐれる始末。中山にいながらにして、浅草ウインズ周辺の飲んだくれ毒舌・競馬オヤジとリアルにシンクロしてしまっている。
5Rの払戻で昼飯の予定が…
その中で、唯一のA評価1.ナカヤマシャイン、B評価でも前走2着時以上の追い切り時計を叩き出している16.サトノマーキュリーの2頭に軸候補を絞る。結局、追い切りがA評価でもあり、前々走の好走時と追い切り時計を比較しても遜色なく、5番人気で妙味もありと踏んで、1.ナカヤマシャインを軸にした馬連と、2着付の馬単流し(今日の軸馬は2着の傾向が強いと踏んで)で勝負することに。しかし結果は……
肝心の1.ナカヤマシャインは5着で、もう一方の軸候補だった16.サトノマーキュリーが1着。1.ナカヤマシャインに騎乗していたのはまたも蛯名。初回の100本ノックから蛯名との相性がすこぶる悪い。
◆自信満々に90点買いを敢行してみたものの……
調教チェックは真剣です
『あんだって(←志村けん風)、新馬戦? 新馬戦だからこそ調教が大事。買う買う! もちろん買いますよ。あたりまえ体操ですよ(←「買う買う」に引っかけた?)』
その6Rの新馬戦。追い切りのA評価はなんとゼロ。中間そして最終追い切りでB評価だった馬が2.タガノアムール、3.トーアアナスタシア、4.レオアストリア、6.ホーリーチャリス、10.オリアーナ、11.ディアルーモの6頭。中でも2と3にB評価が2回あることに気付いたオオヤブは、この2頭の中から2.タガノアムールを軸にチョイス。ここから馬連と馬単流しで5000円を投入する(掛け金が増えている!)。
新馬戦に手を出すと…
さて、ここまで約19,500円を投資して、返還を含め3,950円の回収。12Rの半分の6Rで、持ち金30,000円の約半分の負けだから、順調かつキレイ(?)にやられているともいえるが、1R以外見せ場がないのは問題だろうよ、オオヤブ。
と、訳のわからないことをいいながら、7番人気の11.アイアムネフライトを3連単の1頭軸にして相手6頭のマルチ買い。しめて9,000円の大盤振る舞いである。
今日のメイチ勝負!
レースはダートなのに、どうして芝の3着時の追い切りと比較して、ダートの2着時のそれと比較しないのか? 天才にして大物(?)のオオヤブにしかわからない深謀遠慮があるのだろうが、それにしても90点買いとは勝負に出たもんだ。確かにこいつは当たればデカい。
しかし、このオオヤブの目算はまったくの見当ハズレで、3着までを3番人気以内が占めるガチガチの決着。アテが外れたオオヤブはもうノックアウト寸前!
『うっへえ、どのレースも予想の逆ばかりの結果でなんか気持ち悪くなってきた。レッドブルなんて飲まなきゃ良かった。空腹なんでここまで酸っぱいものが浮いてきてますもん』
◆ついに禁断の最終兵器が投入される……のか!?
残金は5,450円。メインはまだ先なのに、もはや風前の灯。このまま8R、9R、10Rをやり過ごしてメインのAJCCにすべてを賭ける手もある。しかし、ここまで追い詰められてもオオヤブは立ち止まらなかった。
「なぜ競馬をするのか?」の問いに「そこにレースがあるからだ!」と答えた、あの激烈競馬バカが帰ってきたようだ。暴走モード突入ってな感じである。
8Rは本線的中なのに…
レースはオオヤブの予想通り、本命にした7.コパノウイリアムが3馬身差の圧勝。2着に5.ハーコットが入って本線的中!
だが、配当は4.9倍なので、払い戻しは7,350円。残金は7,800円とそれほど増えなかったものの……、
『これで勢いが出るはず。しかも9Rからは特別レース。ボクの調教理論が使えるレベルの馬たちばかり。腹も鳴りますが、腕も鳴りますねえ』
波に乗れないオオヤブ…
この9Rでは7,800円の資金から7,500円を投入していただけに(バカ!)、残金は300円。完全に追い詰められた。どうするオオヤブ? 2回目にしてもうアレが出ちゃうのか!?
『出〜かける時は〜わす、あれっ? おかしいな。無い無い。財布に無い。あれれ? 落とした? そんなわけないよなあ。今日使ってないし。ヤバイ。嫁に抜かれたかも』
競馬の予想は当たらないが、この予想はビンゴで、オオヤブを誰よりも知る嫁は虫の知らせを感じたのか、出かける前に財布からそっと「最終兵器」を抜いていたという。この企画的にはおいしくないのだが、実に賢明で冷静な嫁ではある。
オオヤブ渾身の土下座
と、土下座して頼むので、仕方なくオオヤブにプライベート・マネーから10,000円を援助。だって、メインのAJCCの前にノックが終わってもね〜。
ということで、オオヤブのパラメーターは10,300円に復活。しかしもう後が無い。これも無くなったら今月のオオヤブお父さんはこづかいゼロ(+借金)。大好きなサッポロ一番でさえ、まともに食えない極貧サラリーマンライフを過ごさなくてはならないのだ。
『じゃあとりあえず、この金でカレー食っとく?』
貸した金は払い戻しじゃないっつーの!
現在の馬券的中数 5本
ゴールまで残り 95本
次回のオオヤブ
なんとか軍資金を調達したオオヤブが、いよいよメインのAJC杯に挑む第2回馬券100本ノックの最終章。最後の直線でこだまするオオヤブの絶叫!
・netkeiba.comのコンテンツを使って馬券を的中させれば『1本』。馬券の種類は問わない。
・万馬券であれば1本プラス、10万馬券ならば10本プラス。
・100本に到着するまで本企画は終わらない(不人気で連載終了の可能性は僅かにあり)。
・馬券を購入できるのは月に1日。どのレースを買ってもいいが、重賞は必ず買う。
・購入資金はオオヤブのお小遣い3万円以内。足りなくなったら・・・・・・
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netkeiba取材班
【主役:オオヤブ】 妻子持ちの36歳。一応、雑誌・書籍の編集業に携わっている。若かりし頃にイギリス留学経験もあり、ニューマーケットで馬券の研さんを積んだ、なんてことはまったくない3度のメシより競馬好き。ギャンブル全般に造詣が深いと本人は思っているが、周囲の見方は単なる「下手の横好き」。