“掘出し物”種牡馬・シニスターミニスター

2013年08月16日(金) 12:00

 新潟のレパードSをインカンテーションが勝った。父のシニスターミニスターはあまり聞き慣れない種牡馬である。しかし、2世代目を送り出した昨年の2歳戦は、なかなかの存在感を示していた。

 下級戦ながら、産駒が毎週のようにダートで好勝負。12月を迎えた時点で、JRA2歳戦で出走13頭中6頭が勝ち上がり(2頭が新馬勝ち)、地方でも7割の勝ち上がり率を記録した。産駒の仕上がりの良さと、ダート適性の高さには目を見張るものがあった。

 そのシニスターミニスターは2歳の12月にアメリカでデビュー。2戦目に後続に8馬身の差をつけて勝ち上がっている。さらにGI初挑戦となったケンタッキーダービーの前哨戦、ブルーグラスSでは史上3番目となる12馬身4分の3の着差で圧勝。派手な勝ちっぷりでGI初制覇を成し遂げている。

 ところが、その後は鳴かず飛ばず。おかげで投げ売り状態となり、日高の生産者グループが150万ドル(当時約1億7300万円)という破格の安さで購入した経緯がある。

 父のオールドトリエステが・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

吉沢譲治

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

新着コラム

コラムを探す