2013年09月09日(月) 18:00
丹下日出夫氏を招聘
◆競馬知識ゼロからキャリアと実績を積んできた丹下さんの強み
開催前日の8月16日の金曜日。府中の居酒屋にて、日本酒片手に盛り上がる丹下塾。丹下さんに予想のコツを聞き、それを翌日の馬券100本ノックに活かして、なんとかスランプを脱したいオオヤブは、酔いの勢いに任せて、北斗百烈拳ばりの質問責め。オオヤブの、時にウザくも感じられるこれらの質問に答え、かつうまく受け流している丹下さんは、まるで「トキ」。激流を制するは静水。聞き上手なところも丹下さんの魅力なのだろう。
『丹下さん、丹下さん、やっぱラップ理論をボクも勉強したほうがいいんでしょうか?』
こうした小学生のような単純な質問をするオオヤブが異様にこっぱずかしい……。
丹下さん指南中
はじめに血統ありきとは、さすがPOG大魔王。オオヤブのようなハンバーグ大好きのハクション大魔王とはわけが違う。
「実をいうと、僕は競馬のことを何も知らずに競馬専門紙業界に入ってきたんだよね。そこで編集の仕事に携わったんだけど、はじめは南関東の新馬戦の馬柱を作ってたんだよ。そのときに競走馬の親兄弟やら、血統も調べなくちゃならなくて、その作業をずっと続けていたらいつのまにか血統に詳しくなっちゃったんだよね。そしたら今度は中央競馬の馬柱を作るようになってさ。で、馬柱作りをやっていると、競走馬の移り変わりというかサイクルがハッキリとわかるわけ。長年に渡って何世代も見ていると、この仔馬はお母さんがあの馬でお父さんがあの馬、近親がこの馬だから、こういう走りをしそうだって、勝手にイメージできるようになるんだよ」
『僕もいい加減15年以上競馬をやってますが、そんな風に競馬を見たことなかったから、血統から走りのイメージなんてわかんないっす。勝って、オネエチャンの店に行くイメージはいつもバリバリ持っているんですが』
「それにさ、POG本とかやってるから、仔馬を北海道まで見に行くんだよ。社台にも行って、そこで1000頭くらい馬を見て、どの馬が新馬に出てくれば勝ち負けできるかもうわかってるしさ。だから必然的に新馬戦の予想には強くなるんだよね」
さすがに、これは丹下さんの強みであり、オオヤブには真似のできないところ。
「そういえばさ、オオヤブくんは調教を参考にするんだよね。でも調教は難しいよ。あれは数字でしか追えないからね。調教は時系列で見なくちゃいけないから、この血統なら調教ではこういう時計で走る、この厩舎ならどう追うか、とかさ、僕だって把握するのに10年以上かかったもの」
日本酒に突入…
つーか、10年は丹下さんのレベルで、ですから! お前じゃ極意を得る前に死亡フラグが立つのは確実。にしてもオオヤブさあ、酒のピッチ早過ぎだろ。このペースで日本酒をグイ飲みしてたら、今ここで死亡フラグ確定だろ。つーか、そんだけ揚げ物食ってれば、脂肪フラグも確定か。
◆穴を獲るには「時計・ラップ理論で消えている馬」を見つけ出す
マンツーマン指導の丹下塾ならぬ、競馬“呑兵衛”予備校は宴もたけなわ。飲むなら「今でしょ」とばりに、ビンが空になっていく。
「僕が予想で使うラップ理論の話に戻るんだけど、レースのラップや時計って調べれば誰でもわかるでしょ。だから、優秀なラップや時計を叩き出している馬に本命を打っても、みんな知っていて、だいたい1番人気だったりするんだよね」
『能力の裏付けがちゃんとあるんだから、それも仕方ないですよね』
「そうなんだけど、波乱があってこそ競馬って面白いでしょ。けど、その片棒を担ぐ穴馬って、たいてい時計・ラップ理論では浮上してこないんだよ。ところが、よ〜く見てみると、近走はまるでダメなのに、近5走よりも前、あるいは1年以上くらい前に優秀な時計・ラップで走っていたりする馬がいるんだよね。それらの成績は馬柱に出ていないから実績として忘れられがちなんだけど、そんな『時計・ラップ理論で消えている馬』というのかな。そうした馬を丁寧に追っているとオイシイ馬券が獲れたりするもんだよ。もちろん予想するうえで、他にもいろいろな見方や考え方はあるんだけど。あっ、そうそう、時にはヤマカンもあったりするかな。ハハハハハ」
『やべえ。丹下さん、深い、深すぎるっす。目の前に見えるものだけを信じてきたボクは浅はか者でした……』
「いやいや目に見えるものも大事。たとえばレース結果はちゃんと信じなさい。競馬はね、やっぱり勝った馬が強くて、負けた馬は弱い。時計やラップを使った理論ってさ、いつのまにやら『スピード指数』って呼ばれるようになっちゃったんだけど、僕の理論はスピード指数とは違う。あの考え方だと、ずっと4着以下に負け続けているような馬でも、前走で時計が速かったとか、上がりのラップが優秀だったとかで印が打たれるんだけど、いくら速い脚を使っていたとしても、そうした馬は、また負ける可能性が高いんだよ。だからそうした馬は予想から排除する。敢えて汲み上げないことも大切だったりするんだよね」
『ボクは今まで、そうした馬に期待してがっつり勝負することもありました。いやあ、目からウロコ。ホント、タメになるなあ、というわけで、明日のボクの馬券100本ノック、何を買えばいいんでしょ?』
もはや思考能力ゼロ
『いやあ、酒も入って気持ちよくなりすぎちゃって、もはや思考能力ゼロ。これから明日の予想するなんて、酔拳のジャッキーでも無理っすよ。へへへへ』
と、そこに丹下さんから救いの手が伸びる。
「明日っていうか、今日が馬券100本ノックの実戦だったっけ? なら僕がオススメの馬を教えてあげるよ。いい馬いるんだよ!」
と、ていたらくのオオヤブをよそに、丹下さんは絶好調。というわけで、この2人の居酒屋放浪記はどこまで続くのか? しかしまあ、朝イチからの馬券100本ノックを控えているというのに、オオヤブはすでにヘロヘロ。それでもグラスを掲げて、
『おかわりお願いしま〜す』
って、お前はフードファイターかっての!
現在の馬券的中数 59本
ゴールまで残り 41本
第3部に突入しヘロヘロなオオヤブ…
・netkeiba.comのコンテンツを使って馬券を的中させれば『1本』。馬券の種類は問わない。
・万馬券であれば1本プラス、10万馬券ならば10本プラス。
・100本に到着するまで本企画は終わらない(不人気で連載終了の可能性は僅かにあり)。
・馬券を購入できるのは月に1日。どのレースを買ってもいいが、重賞は必ず買う。
・購入資金はオオヤブのお小遣い3万円以内。足りなくなったら・・・・・・
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netkeiba取材班
【主役:オオヤブ】 妻子持ちの36歳。一応、雑誌・書籍の編集業に携わっている。若かりし頃にイギリス留学経験もあり、ニューマーケットで馬券の研さんを積んだ、なんてことはまったくない3度のメシより競馬好き。ギャンブル全般に造詣が深いと本人は思っているが、周囲の見方は単なる「下手の横好き」。