停滞する欧州血統

2013年09月13日(金) 12:00

 今週、いよいよ凱旋門賞に向けて、オルフェーヴルがフォワ賞に、キズナがニエル賞に出走する。帯同馬に蹴られて鼻出血したオルフェーヴルは、相変わらず人騒がせな馬だ。しかし、宝塚記念の出走を取りやめた肺出血でなくてよかった。

 順調そうだが、目標はあくまでも次の凱旋門賞。馬場の適性と能力は、昨年のフォワ賞と凱旋門賞で実証しているのだから、むりに勝つ必要はない。フォワ賞を勝ったところで、何の勲章にもならないし、賞金も安いのだから、本番前のひと叩きでいい。

 キズナも競馬週刊誌によると、「想像していた以上に順調にきている」と佐々木晶三調教師が語っている。オルフェーヴルと違って、こちらは未知の体験。ニエル賞のレースぶりが注目されるが、凱旋門賞は3歳馬が背負う斤量が軽いのが魅力。軽くクリアして本番に臨んでもらいたい。

 陣営が「順調そのもの」と吹きまくり、凱旋門賞で大敗するのが過去の常だった。だが、近年は・・・

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吉沢譲治

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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