2013年10月14日(月) 18:00
(第39回までの超ざっくりとしたあらすじ)
プロ馬券師に勝負を挑む!
◆とにかく馬券の種類がどうなるかがポイントです
バトルスタート!
『やなぎさんが強敵なのは百も承知ですが、大川さんのような神様じゃないんだから、全レースを当てるなんてまず無理。後半は怖いでしょうけど、前半は間違いなく苦戦すると思うんですよね。なんで前半に自分が高配当をバシッと当てて貯金を作ってそのまま逃げ切りが理想の展開っす』
それを聞いたやなぎは、
「自分の予想の武器は、前3走の着差をベースにして弾き出した「着差数値」なんで、2歳新馬や障害、今の時期の2歳未勝利は予想のしようがない。3歳未勝利だって出走全馬に十分なキャリアがあるわけじゃないし。自分としてはハッキリいうとお手上げなんだけど、一応プロとしてはかっこうぐらいつけたいよね。オオヤブくん相手に後手を踏むっていうのも、シャクっしょ。やっぱ」
やなぎは馬連
というやなぎに対して、
『うへえ、複勝!? これだけは勘弁っていうか、丹下さん式の時計比較で10.のライトオブホープが良かったんで、これを軸にっつーか、いきなりこのヒキって、どうかしてるぜ!』
と「複勝」を引いてブツブツとうるさい、ボヤッキー・オオヤブ。でもモノは考えようじゃないの? ホラ、柏木さんの言ってた複勝多点買いをここで試せばいいんじゃね?
『モチのロンですよ。僕を誰だと思ってるんですか。柏木さんの一番弟子ですよ』
つーか自称な。まあ日刊競馬持たずに東スポ持ってるヤツがよく言うわ。それに絶対お前は、柏木さんの複勝のレクチャーのこと忘れてたね。俺が言わんかったら10の複勝1点買いなんてしようと思ってたろ。
『ドキ! いやいやもちろん複勝多点買いで行く気マンマンでしたよ。ここは混戦だし、人気薄を中心にして10を加えた4.7.8.10.12.14.15.16の8点買いの100円流しっつーことで』
一方、新聞と格闘していたやなぎは、
「一応2走くらいしている馬はけっこういるから、全然不十分なんだけど着差数値をベースにして予想はしましたよ。んなもんで2.3.5.9.11の馬連ボックス。ちょっと堅い感じけど、初っ端だしこんなもんじゃないかな」
さてそのレースは、非常に出入りの激しい2歳戦にしてはサバイバルな展開で、勝ったのは後方からマクった11.トゥインクリング。2着は12.ヒムカで3着が3.ダノンミシガン。やなぎは惜しくも1・3着で、オオヤブは!?
『俺って天才、イエ〜、俺ってグレイト、イエ〜』
と、まるでパペットマンのようなヘンな踊りで喜んでいる。そういえばゴール前、何か叫んでたな。あれって「大野!」って言ってたんだ。「オ〜ノ〜」でダメだったんじゃないのね?
『10番人気の12の複勝ゲッチューです。配当は1310円。複勝でこの配当なら十分です。ウシシシ。で、やなぎさん、覚えてます? さあ、あの黄金のサーバーにいってらっしゃい。いやあ朝からシュワシュワなんて、余は満足じゃ』
調子に乗るオオヤブだが、複勝を選んでなかったら10から買って撃沈してたくせに何が功を奏するかわからない。
「はい、おまたせしました〜」
予想はハズれてもそこはバーテン・やなぎ。不遜なオオヤブ相手でも丁寧な接客。といっても目が笑ってないって、やなぎくん!
◆捨てレースは決して作らないプロ馬券師としてのプライド
「ダメだこりゃ!」
のいかりや節炸裂で、がっくりと肩を落とすその姿はまさに、もしものコーナーのオチそのもの。対するオオヤブは「単勝」。このヒキにはオオヤブも納得で満面の笑み。
『2Rはですね。7月の実戦で東スポの渡辺さん一押しだったマイネパシオーネがまた出てるんですよ。あのときは僕も期待して大勝負をかけたんですが逸走して撃沈。能力があるのは確かですから、ここはリベンジということで単勝1本、1000円ド〜〜〜ン!』
苦手の2歳未勝利…
自信もないのに3連単の1点、2点買いで100円、200円と買うより、なんとか当てようとしたやなぎは、フォーメーションで16点買いを敢行。たとえハズれたとしても当てるために最善の努力をするのがプロの矜持だろう。
『やなぎさん、2Rでそんなに使っちゃっていいのぉ?』
やなぎの爪の垢をカクテルに入れてオオヤブに飲ませてやりたいくらいだが、結局、この2Rはオオヤブもやなぎも不的中で痛み分けとなった。
◆好調のオオヤブを尻目にやなぎはたまらず「見」発動!
『ウハハハハ、作戦通り、作戦通り。ツインターボのように逃げまくりますよって、あっ、マスター、おかわりちょうだいねえ』
「ハイ、喜んでえ」
「障害は着差数値では無理。ふだんはまったく買わないしね」
で、結果はオオヤブの軸馬12が2着。オオヤブの買い目には3着に入った1はあるものの、勝った5が無い。5は単勝47倍の馬なんで仕方ないところもあるが、このレースをオオヤブが的中していたら、ホントにツインターボ並の逃げになるところだった。なんだよオオヤブ、やけに調子がいいじゃないのよ?
『そりゃあね、春の僕とは違いますよ。夏を境に実が入ったというか。このトモの具合もいいでしょ。パンとして!』
ここまで2勝してビール×2。脾腹の感じは弛み切っているオオヤブだが、やなぎに対してとりあえずアドバンテージを得た。だが、やなぎだっておそらく黙っちゃいない。
『やなぎさん、何かツマミある?』
カチーン! こりゃ、やなぎも別の意味で黙っちゃいられないわなあ。
現在の馬券的中数 77本
ゴールまで残り 23本
バトルは中盤戦へ…
・資金は1人10,000円(設定としては自腹)。資金が尽きた場合、追加するのはOK(ただし、金額は1レース1,000円まで)。
・勝負は、最終レース終了後の残高で勝敗を決める。
・予想の方法は問わない。
・1レースごとにくじを引き、券種を決める(決定した券種以外を買うのはダメ)。ただし、指定した勝負レースのみは好きな券種で買える。なお、勝負レースは1レースしか指定できない。
・レースは、1競馬場の1〜12R。ただし、他場で重賞がある場合は買わなければならない。
・「見」は一度だけ認められる(ただし、重賞は「見」できない)。
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netkeiba取材班
【主役:オオヤブ】 妻子持ちの36歳。一応、雑誌・書籍の編集業に携わっている。若かりし頃にイギリス留学経験もあり、ニューマーケットで馬券の研さんを積んだ、なんてことはまったくない3度のメシより競馬好き。ギャンブル全般に造詣が深いと本人は思っているが、周囲の見方は単なる「下手の横好き」。