ジェンティルドンナ、エイシンフラッシュなど天皇賞・秋分析

2013年10月22日(火) 18:00

 先週の菊花賞。No.1予想でも◎を打ったマジェスティハーツが惨敗したことよりも、○のエピファネイアが勝ったことよりも、無印だったサトノノブレスが2着に入ったことが、相当精神的ダメージを与えるレースとなりました。

 1週前追い切りの時点では、非常にいい雰囲気だったサトノノブレス。これは神戸新聞杯の上位をそのまま評価しないといけないだろうと思っていましたが、最終追い切りが時計の遅い単走追い。これを見た瞬間、それまでの評価を一切消去し、無印という扱いになりました。

 勝負調教大全や100%激走するの増補改訂版に取り上げている「池江泰寿厩舎」の調教の特徴、勝負調教として、最終追い切りは一杯に追って、併せ馬先着と記していると思います。このパターンで、配当の大小問わず、数々の馬券を的中させることができたことので、とにかく信頼度の高い勝負調教でした。

 追い切り時計が遅いことや、併せ馬で遅れたくらいなら、特にダメージはなかったのですが、単走だった上、時計が遅いという、池江厩舎の牡馬では考えられないような、緩い調教だったことに首を捻るしかなく、結果的に無印という評価になりました。

 しかし、レースでは絶好の手応えから最後は2着を確保。レース後は本当に立ち直ることができず、未だに引きずっているような気がします。しかし、よく考えてみると、レース当日の馬場は不良でしたし、その条件と相まって、池江厩舎の単走が走ったと理由付けるべきだと思いました。私の印やコメントを聞いていただいた結果、馬券を的中することができなかった皆様には申し訳ない気持ちですが、自分でより精度の高い予想、そして、自信を持った予想をするためには、ここで切り替えて、今後の予想の糧にしていきたいと思います。

 天皇賞秋。このレースの調教適性は間違いなく「併用」。昨年、◎エイシンフラッシュで的中できたのも、併用調教を重視した結果です。まずは、この調教適性を前提にした上で、内容を進めていきます。

 1番人気はジェンティルドンナになるでしょう。宝塚記念以来の休み明けですが、その仕上がり状態は言うことありません。かなり早い時期に栗東へ帰厩し、徐々にエンジンを温めてきた感じ。その効果が、1週前追い切りでの抜群の反応になって表現された印象がありますし、今朝22日の坂路でのキャンターの様子も、適度な闘争心が見られ、いい雰囲気。強いて、マイナスを探せば、やけに手前を替える回数が多いな、といったところですがこれは休み明けの影響か、水分をたっぷり含んだウッドチップの影響なのかも知れません。

 それよりも重要なのは、この馬が坂路単一調教馬だという点。過去10年、坂路単一調教馬は2頭の優勝例がありますが、標準多め坂路(メイショウサムソン)、乗込坂路(ウオッカ)と調教本数の多いタイプ。この過去傾向を重視するなら、決して高い評価はできません。

ジェンティルドンナ

高い評価は出来ないジェンティルドンナ

 昨年の優勝馬、エイシンフラッシュ。昨年とは違い、毎日王冠を優勝しての出走となります。その分なのか、今年は1週前の時点で、昨年より本数の少ない追い切り内容。レース前週の金曜日にM.デムーロ騎手が跨って追い切るという点は全く同じで、その動きに関しても、見るべきところがあったと思いますが・・・

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井内利彰

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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