2013年11月29日(金) 12:00
◆かつては“未開の地”だった海外競馬
知人にすすめられ、『石川ワタル、世界をワタル』(東邦出版)を読んだ。
今ならサラブレッドの5代血統表は、パソコンやスマホから瞬時に入手できる。架空の5代血統表さえも、ただで簡単に見ることができる。だが、まだインターネットどころか、ファクスもワープロも世の中に普及していなかった時代。1980年代の前半までは、5代血統表をつくるのは大変な作業だった。
半日がかりはざら。なじみのない外国産馬ともなれば丸1日を要することもあった。10万円もするファミリーテーブルなど、いろんな書物をあさり、照合し、ひとつひとつ手書きで5代血統表を埋めていったものである。
そんな時代だから、海外の情報たるやお粗末なもの。詳しく伝えてくれるスペシャリストもいなかった。その未開の地に足を踏み入れ、“海外競馬の伝道師”の道を切り開いたのが石川ワタルさんである。この人物が・・・
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吉沢譲治
血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。