2013年12月24日(火) 18:00
◆種牡馬としての素晴らしい未来を感じさせたオルフェーヴルのラストラン
オルフェーヴルは、ひょっとして最後の有馬記念が「もっとも強かったのではないか」。そう思わせたところに、オルフェーヴルの素晴らしい未来が広がる可能性がある。
現在の日本のトップサイアーの多くは、競走馬として最後になったレースを勝っている。ディープインパクトも、シンボリクリスエスも、急な引退ではあったがキングカメハメハも現役最後のレースを快勝している。種牡馬ビジネスが優先され、3歳時だけで、あるいは評価が下がりそうになったら4歳の途中でもたちまち競走馬引退の道を選ぶことが多いヨーロッパの名馬と比べると、だいたいは4歳シーズンの最後まで、またオルフェーヴルのように5歳いっぱいまで走り続けることが多い日本のチャンピオンが、少しピークを過ぎたように思わせながら、最後のレースをきっちり勝つというのは大変なことである。最後になってもきちっと能力を出し切ってチャンピオンの座を守ることが、次代に活力をつなげる約束なのかもしれない。
多くのファンは、おそらく最後のレースがもっとも強かったのではないかと思える馬を、ほかにも知っている。7歳暮れの引退レースで、初のGIタイトル(香港ヴァース)を手にしたステイゴールド(父サンデーサイレンス)である。オルフェーヴルは、父ステイゴールドの伝える類まれな生命力をそのまま継承し、さらに次代につなげてくれる可能性がある。
もうひとつ。もっとずっと重要なことは・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。