2014年02月07日(金) 12:00
◆武器はスピードの持続力
デビュー戦(1800m)が6馬身、2戦目のエリカ賞(2000m)が5馬身。いずれも鮮やかな逃げ切り勝ちを収めたバンドワゴンが、いよいよ重賞のきさらぎ賞に挑戦する。
これがディープインパクト産駒なら驚かないが、バンドワゴンはホワイトマズル産駒。しかも母ピラミマはアメリカ産馬で、母系にもサンデーサイレンスが入っていない。
ホワイトマズル産駒の重賞勝ち馬は、アサクサキングス(菊花賞)、シャドウゲイト(シンガポール航空国際C)に代表されるように、母の父にサンデーサイレンスを従えているものが多い。ダートで活躍中のニホンピロアワーズも、母の父に後継種牡馬のアドマイヤベガが入っている。
ただ、初期の代表産駒にはスマイルトゥモロー(オークス、母の父サウスアトランティック)、イングランディーレ(天皇賞・春、母の父リアルシャダイ)がいる。サンデーサイレンスの援護射撃がなくても、大物を出す種牡馬であることは確かだ。
ホワイトマズル産駒に共通するのはスピードの持続力。切れる脚は持たないが、スタミナ、持久力、パワーに優れ・・・
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吉沢譲治
血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。