気が早いですが、データから皐月賞馬を考えます!

2014年03月15日(土) 12:00


◆3タイプに分かれる皐月賞馬券圏内

 チューリップ賞のハープスター、鮮やかでしたね。まさに圧巻の勝ちっぷり。今後何ごともなければ、桜花賞で断然の1番人気になるのは間違いないでしょう。「ウイニング競馬」で番組史上初めて阪神競馬場から生中継した甲斐もあったようです。

 さて、翌日の弥生賞では、ハープスターと同じ勝負服、同じ鞍上のトゥザワールドが、わずかの差でワンアンドオンリーを退け優勝しました。ハープスターの勝ち方とは対照的でしたが勝ちは勝ち。負けたワンアンドオンリーも侮れない存在であることを感じさせてくれました。

 京成杯のプレイアンドリアルは休養、アーリントンCのミッキーアイルはNHKマイルCに向かうそうで、あとは若葉SとスプリングSを待つのみ。皐月賞に関しては“勢力地図”が8割がた固まりました。有力馬が無事に調教を積んで、揃って出走してくることを期待しています。

 それじゃぁ何が勝つのか。馬券はどのように買ったらいいか。例によって過去のデータを分析して、ヒントを探しておきましょう。

 ここ5年の皐月賞1-3着馬15頭をタイプ別に分けると以下のようになります。

(1)前走“前哨戦”1着馬=8頭(スプリングS3頭、弥生賞2頭、共同通信杯、若葉S、京成杯各1頭)

(2)前走“前哨戦”敗戦も、それ以前に前年11月以降の重賞勝ちがある馬=5頭(弥生賞敗戦の前にラジオNIKKEI杯、朝日杯、東京スポーツ杯優勝各1頭、スプリングS敗戦の前に東京スポーツ杯優勝1頭、共同通信杯敗戦の前にラジオNIKKEI杯優勝1頭)

(3)若葉S2着馬=2頭

 さらに、この5年の皐月賞優勝馬は5頭とも前哨戦で1着になった馬(スプリングS3頭=09、11、13年、弥生賞1頭=10年、共同通信杯1頭=12年)。一方、前走1着馬だけが1-3着を占めたことや、前走負けた馬同士が1-3着したことはありません。また、(2)のタイプは10年を除き毎年3着以内に来ています。

 今年の場合、現時点で優勝候補筆頭の(1)のタイプは、トーセンスターダム、イスラボニータ、トゥザワールド。この後、これに若葉SとスプリングSの勝ち馬が加わります。

 2-3着によく来ている(2)のタイプはワンアンドオンリー。アジアエクスプレスとトーセンスターダムがスプリングSか若葉Sに出てきて負けたとすればこのタイプに入るわけですが、今のところ“その名のとおり”1頭しかいません。

 ここまでは誰もが考える有力馬。でも、大穴でおもしろいのは(3)のタイプかもしれません。09年のトライアンフマーチと10年のヒルノダムール。前者は重賞経験なし、後者は若駒S1着という戦歴がありました。

 さぁ、これらのデータがホントのヒントになるかどうか?答えは1カ月後に出ます!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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