金・土・日の異例日程で組まれた今週は僕のコラムもちょっとだけ異例

2014年03月18日(火) 18:00

競馬の職人


 桜花賞トライアル3競走が終了し今週のフラワーCを残すもののメンバーがほぼ出揃ってきましたね。瞬発力は牡馬を含めても世代屈指の1強かとも思わせるハープスターですがそれに待ったをかける2歳女王のレッドリヴェール、そしてフィリーズレビューで逃げずに控えて直線でインをついたベルカントは今までとは違ったレースをしての快勝。強豪が出揃ってきました。桜花賞が楽しみですねェ。

 16日にはウオッカの初子「ボラーレ」がデビューしました。580キロの超大型馬。これからの成長が楽しみです。今週は、春の天皇賞・桜花賞・皐月賞のトライアルレースが金・土・日の異例日程で組まれ3競馬場で4重賞があり魅力いっぱいの週末。

 今週の僕のコラムもちょっとだけ異例。

 毎週土曜日深夜に放送中のシャンプーハットを中心に競馬芸人がMCを努める「うまンchu」(関西ローカル)、グリーンチャンネルで放送中の「トレセンまるごと情報局」などにレギュラー出演、出走有力馬に騎乗予定の騎手や調教師・厩舎関係者などにインタビューの仕事をパワーとボリュームで巧みにこなしている「ビタミンSのお兄ちゃん」に逆インタビューしてきました。

***

常石 競馬関係の情報番組で大活躍されていますが、いつごろから競馬に興味もたれたんですか?

お兄ちゃん ぼくね、17歳くらいの話なんですね、ちょうど高校2年、3年生のころですね。今35歳なので競馬を知ってから18年やから。そっち(ソチじゃないよ)の方が長くなりましたね(さすが兄妹漫才師)。S53年生まれなんです。

競馬の職人

シャンプーハットの小出水さんと一緒に武豊騎手にインタビューするお兄ちゃん

常石 僕は52年なんで1年下なんですね。

お兄ちゃん 先輩・・・先輩。(突っ込み)

常石 いやいや(ぼけ・笑)

お兄ちゃん 競馬にむちゃくちゃはまってたときにタケイチケントウとかみていましたよ。ちょうどその頃ゲーム(ダービースタリオン)が流行っていたので、あの馬と同じ血統の馬を作りたいと思い同じような配合を考えながら楽しんでいましたね。だんだんはまって馬の名前や血統とかちょっとずつ覚えましたよ。

 18年前3冠達成したシンボリルドルフがめちゃくちゃ強かった時のレースはもちろん、ナリタブライアンの3冠レースも生で見たことがなく、古馬になってから見始めたので、3冠とった時なんてどれだけ強かっただろうなと思っていたら、ディープインパクトか出てきて3冠馬になった時の強さをはじめて味わえて嬉しかったです。

常石 このとき強い血統ありましたね。

お兄ちゃん サンデーサイレンス・ノーザンテースト・ブライアンズタイムとかいましたね。

常石 僕が中山グランドジャンプで勝ったビッグテーストがノーザン最後のGI馬だったんですよ。種牡馬として記録を塗り替えていきましたからね。

お兄ちゃん そうでしたね。またその当時でしたら丸外の馬が走り出してタイキブリザードが活躍しましたよね。僕の一番好きな馬がタイキブリザードなんですよ。何で好きかと言うと僕は、高校生の時野球部だったんですが脚が遅くてどたどたと前のめりで走るのでお前タイキブリザードかと、いわれたんです。

タイキブリザードのあだ名が、重戦車といわれていて首を思いっきり下げてグワット大きな走りでしたね。アメリカの血統の馬でその走り方に似ているといわれてたので気になってみていました。

有馬記念を見た時にこの馬強い走りでかっこいい。僕はそんな強い馬に例えられてたんやと思うと嬉しかったですよ。それをきっかけにタイキブリザードに興味を持ち競馬にはまっていったんですね。

タイキブリザードは、今鹿児島の牧場にいます。おじいちゃんになってるんですがG1勝った馬の風格はある。今でもがっちりとし筋肉質でパワフルでボスになっている。関東で走ることが多かったから中々生で見る機会が少なかった。

タイキだとすぐにわかり、生のタイキブリザードにあえて嬉しかったです。山の上のほうでとっても景色もきれいで競馬のことを全然知らない人たちに大切に育てられているのでのんびりゆったりと余生を過ごせるのは幸せだと思いますね。

そこにはエイシンワシントン号もいて、左足を骨折してボルトが入っていたのでかなりやばい状態だったんですが、大事にしてもらい怪我の状態がよくなっていました。

レースでしか馬を見ていなかったので、牧場の関係者からいろんな話を聞き確かめることができたし、自然の中での過ごす馬たちに会え本来の姿が見られ思い切って会いに出かけてよかったです。

常石 鹿児島って珍しいですね。種牡馬って北海道が多いですよね。行ってみたいですね。気持ちがおおらかになるでしょうね。

お兄ちゃん 暖かいからのんびりできていいんじゃないですかね。僕が行ったらもっとブヨンブヨーンなってやばいな(爆笑)

常石 競馬だけではなく牧場へ行くことが取材の仕事に役に立ちますよね。

お兄ちゃん この仕事をさせていただくようになって、普段の厩舎での生活や馬を生で見て関係者に話を聞くことができるので面白いです。細江純子さんの後を引き継いでいますが、細江さんのように馬のことを伝えられるか不安ですが現場に来て馬を見る目が変わりました。

1頭にこれだけの多くの人が関わって、この馬にとって何がいいのかをよく考えられているところは現場の厳しさを痛感しています。ですので毎回緊張の連続です。頭ではわかっていたけれど実際目の前で見るのとはまったく違っていた。馬も人も怪我と隣りあわせなのでいつも気になりますね。

僕は芸人ですが芸人の厳しさを少しはわかっているつもりでしたが、生き物を扱う厳しさは、計り知れないですね。騎手の仕事の危険度も痛感しています。

話を聞くのはもっと難しいです。プロとプロの駆け引きしながらのバランスが難しい。認めてもらうためには、人を尊敬し親しみをもって聞くように心がけています。言葉使いも難しいですね。

常石 僕も苦手なんですよ。思っているのになかなかうまく聞き出せないんです。トレセンへ初めてこられているのでファンの目線で質問できる利点があると思いますよ。

競馬の職人

武豊騎手にインタビューするお兄ちゃん

お兄ちゃん 常石さんは大丈夫でしょう。元々騎手だったんですから

常石 もう昔の話でしょう(苦笑)馬の条件もいろいろ変化していますからね。でもどういう風に変わろうと関係者や騎手の愛馬への思いは変わらないですね。ちなみに今、気になる馬はどんな馬ですか?

お兄ちゃん 1番はオルフェーヴルです。3冠もとってメチャ強いじゃないですか。その反面ヤンチャもいろいろやったでしょう。種牡馬になってどんな仔を送り出してくれるのかとっても楽しみですね。管理していた池江厩舎からも目が離せませんね。

ビタミンエース号という名前の馬が本田厩舎にいるんですがこのあと重賞を勝つくらいまで強くなってくれるか楽しみなんですよ。応援しています。僕に勇気と競馬を教えてくれたタイキブリザードのようになって欲しいですね。

常石 あのヤンチャなオルフェーヴルが牧場では先輩のハーツクライ・ディープもいるのでちょっと遠慮しているそうです。

今年は、ロードカナロアもエイシンフラッシュもそしてまだまだいい仔を送り出してくれているディープインパクトもいるので次世代も楽しみがいっぱいですね。ウオッカの初仔もデビューしてきましたしね。

春のG1に向かう馬がトライアルレースで次々名乗りを上げてきたのでインタビューに忙しくなりますね。長い時間ありがとうございました。最後にファンの方にメッセージをお願いします。

お兄ちゃん 面白い豊富な情報をたくさんお届けしたいと思います。自分の応援歌というか応援馬がきっと見つかります。地方 特に東北方面の牧場や騎手も沢山います。みんなで夢をあきらめずに、世界と戦って日本の偉大さを知っていただきたいですね。応援よろしくお願いします。

常石 ありがとうございました。

***

 馬券生活も成功され別のTV局では妹のマイコさんとお店を紹介し、食べ歩きされていますよね。仲良しで楽しそうでほほえましいです。うどんの一気にすすリたべが最高ですね。見ていると思わず僕もすすっていますよ。

 マイコさんの結婚披露宴で手打ち麺をつくって22mいや22cmかな名物のすすりを披露されたそうですね。マイコさんが是非やってほしいとの希望をかなえられたそうです。やっぱり妹思いなんですね。

 ビタデミー賞受賞内定です(自称です)。多方面での活躍、インタビューの駆け引きがなかなか絶妙で面白いからこの春はお兄ちゃんからも目が離せませんね。つねかつこと常石勝義でした。[取材:常石勝義/栗東]

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常石勝義

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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