6月一週目はダービーウィーク(写真は昨年の北海優駿優勝馬・ミータロー)

◆ダービーと名前がつく以上、その競馬場が最も盛り上がる一日になって欲しいと強く願っている

　いよいよ迫った今年のダービー。この場合のダービーというのは、多くの人が中央競馬の日本ダービーをイメージするだろう。今年はJRA設立60周年でもあり、ことの他広告宣伝活動に力を入れているとも聞く。やはりダービーだけは別格の扱いなのである。

　ところで、日本ダービーが行なわれる6月1日(日)よりスタートするのが、もうひとつの“ダ―ビー”シリーズだ。佐賀競馬場を皮切りに、6月一週目の金曜日(6月6日)まで、盛岡(岩手)、門別(北海道)、大井(東京)、園田(兵庫)、名古屋(愛知)の各競馬場でそれぞれの地区のダービーが集中する。名付けて「ダービーウィーク2014」という。

　しかし、注目度という点では、何とも比較にならない。もちろん資金力が圧倒的に違うので比較しようもないのだが、ちょうど日程が重なってしまった今年は、なおのことその格差が目立つ。残念ながら認知度において、この差はあまりにも大きい。

　試しに月曜日から地方競馬ダービーウィークのサイトを毎日チェックしているが、一週間後に迫った月曜日でも、6競馬場のうち3か所の発売体制が確定しておらず、「場外発売・電話投票情報」の当該欄は未定のままであった。さすがに今朝(28日、水曜日)の段階になると5か所が発売体制について詳細を発表しているものの、6日の名古屋競馬場に関しては未だ空欄のままである。

　ついでながら触れると、月曜日の時点では、各競馬場で行なわれる当日のイベント情報に関しても、何一つ告知がなかった。さすがにその後徐々に発表されてきているが、5日の園田競馬場に関しては、まだ何も情報がない。

　さらには、出走予定馬欄についても、今日28日の段階で、馬名が紹介されているのは1日の佐賀(九州ダービー・栄城賞)のみで、他の5つのダービーに関しては何もまだ発表がない。すでに出走メンバーはほぼ確定している時期のはずだが、ポータルサイトの情報は欠けた部分が多く、宣伝広告に役立っているとはとても思えないのだ。

　もちろん、予算がない、人員もいない、と地方競馬に関してはハンデが大きいことはよく理解しているつもりだが、せめてこういう部分くらいはもう少し事前に必要な情報をアップすべきだと思う。

　周知のように、このダービーウィークでそれぞれ優勝した各地のダービー馬たちには、来る7月9日、大井競馬場で行われる「ジャパンダートダービー」への優先出走権が与えられる。つまり、各地の代表決定戦でもあるわけで、本来ならば、ダート3歳チャンピオンを決定するべく設定されたこのレースに向け、もう少し盛り上げて行きたいところだ。

　しかし、現実は、6月第1週に各地のダービーと名のつくレースを便宜上まとめただけのようにも映る。せめて、馬券発売の上からも各地のダービーが連動しているのならば良いのだが、そういう関連性はない。日程が1日ずつずれていて、日替わりで開催場所が違うのだから、ダービーウィーク特別重勝馬券でも発売できないものか。開催日や開催場所が異なると発売が難しくなるのかも知れないが、現行のままではいかにも寂しい気がしてならない。

　1年でただ1度のダービーデイを盛り上げるための場内イベントの充実も求められる。主催者や関係者がまず「この日だけは特別」というような雰囲気作りを心がけたい。「そんな予算も人員もない」と一笑に付されるのを覚悟の上で敢えて申し上げるが、普段の開催とは違った場内の飾り付けやその日だけの特別なイベントなどはどれだけあっても構わないと思う。入場者が「あれ？今日はいつもと違うぞ」と感じてくれたらしめたものだ。

　開催時期も違えばレースの趣旨もまた異なるものの、例えば、帯広競馬場のばんえい記念は毎年3月下旬に開催され、人々が進学就職、または転勤などで身辺が慌ただしくなる時期であるにもかかわらず、「この日だけは帯広に行って現地で観戦する」という人が少なからずいる。この日だけは久々に再会した友人知人たちが旧交を温める光景が見られ、さながら大規模な同窓会のような賑わいとなる。ダービーと名前がつく以上、その競馬場が最も盛り上がる一日になって欲しいと強く願っている。

　ホッカイドウ競馬のダービー「北海優駿」は6月3日(火)の予定で、この日はまた現地観戦するつもりでいる。