【潜入取材】競馬の舞台裏!競馬場の救護所(1)『大事な財産のジョッキーをいかに守れるか』

2014年06月02日(月) 12:00

おじゃ馬します!

▲左から辻さん(JRA)、中野さん(看護師)、黒川さん(看護師)、竹田さん(JRA)

何万人もの大歓声が響く白熱のレース、美しいサラブレッドを華麗に操るジョッキーたち。そんな華やかな舞台の裏で、ジョッキーたちは命を懸けた勝負をしています。危険とは常に隣り合わせ。今月は、そんなジョッキーたちを守る競馬の最前線、東京競馬場の「救護所」に潜入取材。JRA競走部厩舎関連室の辻智之さん、JRA東京競馬場総務課の竹田祐一郎さんに、その舞台裏を聞かせてもらいました。(聞き手:赤見千尋)

◆救護所の利用者は年間約70件

赤見 救護所は普段目にすることのできないエリアですので、取材させてもらえるのを楽しみにしてきました。まず救護所の主な役割から教えていただけますか。

 救護所は、レース中の落馬、厩舎作業時の怪我等の際、その名前の通り救護・応急処置をする場所ですね。迅速に対応ができることを第一と考えています。

赤見 利用するのはジョッキーのみですか?

 いえ。大部分がジョッキーですが、厩舎作業を行う厩舎従業員(厩務員・調教助手)の方や、調教師の方々もいらっしゃいます。ここ厩舎関係者のエリアにある救護所は、基本的には厩舎関係者の方が利用しています。お客様には、また別にファンエリアの救護所がありますので、そちらをご利用いただけます。

赤見 ファンのための救護所もあるんですね。厩舎関係者の救護所の、1日の利用者数というのはどの程度なんですか?

 ファンエリアと比べると、件数としてはそんなに多くはないと思います。去年1年間で約70件。ここ数年で見ても70〜80件か、多くて100件くらいで推移しています。なので、開催日で考えますと1日1件2件あるかどうかですね。

赤見 ファンエリアの救護所はもっと多いですか?

竹田 相当多いですね。私はファンエリアの救護所も担当しているのですが、やはり何万人というお客様に来ていただくレジャー施設ですので。東京競馬場には救護所が3カ所あるんですが、1つの救護所で1日20件くらいになります。

赤見 そんなにですか。またGIともなれば、人が多くて具合が悪くなる方もいらっしゃったり…。

竹田 そうですね。いろんな症状の方が来られます。病気で倒れてしまったとか、お子様がすり傷でとか。あとは朝早くから来てくださる方も多いですので、寝不足で体調が悪くなってしまった…など。救護所には医師や看護師が待機していますので、その点は万全を期しています。

おじゃ馬します!

▲赤見「救護所は厩舎関係者やファンの方を守る場所ですね」

◆重要なのは“迅速さ”と“外部機関との連携”

赤見 こちらの厩舎関係者の救護所ですと、やはりレースでの怪我などが多いわけですよね。先日も後藤浩輝騎手の落馬事故がありましたが、まさに救護所は騎手の命を守る最前線。そのあたりで、大事なことはどんなことですか?

 やはり落馬事故となると、至急外部の病院に搬送しなければならない場合も多くあります。なので、ここで大事なのは、・・・

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東奈緒美・赤見千尋

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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