ハーネスレース(繋駕競走)の予想のヒント

2014年07月12日(土) 12:00


予想のポイントは5つ

 今回も、先週に引き続きハーネスレース(繋駕競走)の観戦ガイド。前回は馬の走り方とスタート方法について書きましたが、今回は予想のヒントです。ただし、当然のことながら、これを読んだからといって馬券が“百発百中”するわけではありません。どうか誤解されませんように。

 ハーネスレースの予想を立てる際に私が重要視しているのは、走破タイム、出走レースの格、獲得賞金額、今季成績、それに騎手(ドライバー)の腕前といった項目です。

 まずはタイム。ふつうの競馬では1000メートル=1分が基準になりますが、ハーネスでは、ペース(側対歩)、トロット(斜対歩)ともに1マイル=1分50秒-2分を目安にします。外国語の競馬新聞や成績欄で何が書いてあるのかわからない場合でも、このような数字が載っていたら、1マイルのタイムだと思ってください(注=1着馬のタイムかそれぞれの馬のタイムかを見分ける必要あり)。

 次に出走レースの格。これはけっこう重要です。要は、昇級馬と降級馬の扱いをどうするか、ということ。日本の競馬でも、格の高いレースで負けていた馬が下の条件のレースに出てきた時とか、下のクラスで好走を続けてきた馬が上のクラスに上がったのに人気を集めすぎていると思われるような時とかは、注意しておく必要があるでしょう?それと同じです。

 ハーネスレースの場合、競走馬寿命がわりと長くて、8歳とか9歳とか、高齢になっても走り続けている馬が多くいます。獲得賞金額と今季(シーズン当初なら前季)成績を比較検討することで、それぞれの馬が「今、バリバリ稼いでいる=調子がいい」のか、「昔は強かったけど、もうピークを過ぎている」のかが、ある程度わかってきます。

 これらの項目を組み合わせれば、初めての競馬場で初めて見る馬ばかりのレースを予想する時でも、狙えそうな馬とそうではない馬の見極めはだいたいできるはずです。

 そしてもう1つ、騎手の腕前を把握すること。実は、これが最も重要な要素です。ハーネスレースで上手なドライバーは、一言で言えば「ペース判断に優れている人」だと思います。スローになりそうだったらレース序盤からでも前に行き、速くなりそうだったらちょっと控えてまくり気味に進出する、などなど、変幻自在に馬を御せる騎手。どこの競馬場に行っても、必ずそういうドライバーがいるものです。

 あらかじめ上手な騎手の目星をつけるには、リーディングドライバー表をチェックするのが一番。レーシングプログラムや競馬新聞、インターネットの情報サイトなどでそれを見つけておきましょう。迷ったらドライバーで買え。これは競馬の鉄則ですよね。

 そう、ハーネスレースの予想法もふつうの競馬と同じなんです。あとはあなたの運次第。では、がんばって当ててくださいね!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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