“不思議な符合”

2014年09月06日(土) 12:00


テニスにも野球にも競馬にも…

 世の中、不思議なことが起きるものですねぇ。「何が?」って、錦織圭選手が勝った全米オープンテニスの4回戦です。ご存知のように、現地時間の9月1日夜10時過ぎに始まった試合は4時間を超える大熱戦となり、翌2日の午前2時26分に終了しました。これは、全米オープン史上最も遅くまで行われた試合の“タイ記録”。これまでに2回、その時間まで行われたことがあったそうです。何とも不思議ですよね?

「どこが不思議なんだ」って?よく考えてみてください。あの試合の最後のラリーがあと数回続いていたら、終了時刻は2時26分を過ぎていたはず。そうしたら記録は更新されていたんです。でもそうならずに、過去2回あったことがまた起きた。まさに“2度あることは3度ある”じゃないですか。

 逆に考えれば、錦織選手が“絶妙のタイミング”でマッチポイントを迎え、まるで運命づけられていたかのようにその時間に勝利を決めた、とも言えるわけです。

 このところ、“不思議な符合”は相次いで起きています。軟式高校野球大会準決勝で延長50回というとんでもない記録が作られたのは、兵庫県明石市の野球場が舞台、片方のチームは中京高校でした。夏の甲子園の延長記録は、1933年(昭和8年)の第19回大会準決勝、中京商業対明石中の25回です。準決勝、明石、中京という“単語”が見事に重なっています(今回の記録を作った中京高校と甲子園の中京商業は“別もの”ですが)。

 さらに、軟式高校野球準決勝が50回で決着した8月31日は、男子プロゴルフのKBCオーガスタでも5ホールに及ぶプレーオフの末に藤田寛之選手が優勝。この日は記録に残る延長戦が繰り広げられた一日になりました。

 そしてもうひとつ。私が実況を担当したバドミントンの世界選手権では、女子シングルスの三谷美菜津選手が、同種目の日本選手としては37年ぶりに銅メダルを獲得しました。その3回戦と準々決勝が、いずれもファイナルゲーム(テニスで言えばフルセット)を戦って上位シード選手を破る、という形になっていたのです。これって、錦織選手と同じパターンでしょう?

 そういえば、今年のダービー、勝った馬も騎手も馬主さんも、ご観戦された皇太子殿下も、同じ2月23日生まれでした。こういう“符合”って、あるものなんですねぇ。ひょっとしたら、世の中の歴史は“不思議な符合”で作られているのかもしれません。

 さてさて話はガラリと変わって、7日(日)、私は新しくなった札幌競馬場を見に行きます。そしてその夜は、琴似駅前にあるばんえい競馬の場外発売所で“場立ち予想会”を開催! もし札幌競馬場で私を見かけたら、お気軽にお声をおかけください(お声をかけてくださった方は、琴似にも来ていただけるものと信じていますからね。すっぽかしちゃダメですよ)!!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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