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成長力十分な一族

　もちろん、春のランキングではバウンスシャッセ(父ゼンノロブロイ)が抜けている。

　オークスでは坂上で前が詰まり気味になり、内に進路変更したぶんだけ、ヌーヴォレコルトと、ハープスターの「クビ、クビ」差の3着とどまったともいえる。

　ただ、夏の函館記念を大差の16着に凡走した。フケだったとされたが…。今度は方向を変えて新潟の2000mのトライアル。入念な乗り込みで仕上がりは少しも悪くないが、馬体を並べての併せ馬ではなかったものの、2歳新馬のネオルミエールの軽快なフットワークに比べ、なんとなく重苦しい印象を与えて遅れた。つかみづらいが、絶好調ではない危険もかなりある。

　ここまで8戦【3-0-1-4】。絶えず大凡走と隣あわせの少々むずかしい馬だけに、その力量は認めつつも、ここは夏の上がり馬から入りたい。

　春のショウナンパンドラ(父ディープインパクト)は、フラワーCでバウンスシャッセに0秒5遅れをとり、オークスに出られなかった馬同士のカーネーションCは、今回も対戦するヘイジームーン(父アドマイヤムーン)に大外から差されてクビ差の2着。明らかに実績では見劣るが、立て直して出発の前回、今回と同じ新潟外回りの2000mを完勝した。

　500万下だったとはいえ、完封したメイクアップは春のプリンシパルS3着馬。これをゴール前並ぶ間もなく2馬身半も切り捨てた。メイクアップは先週、2200m戦を楽勝している。レベルは決して低くない。

　430キロ台の小柄な馬体だが、春よりずっと柔らかいフットワークになったから、馬体重はさして増えていなくとも確実にパンチアップしている。母キューティゴールド(父フレンチデピュティ)は、ステイゴールド、レクレドール(ローズS勝ち馬)などの半妹にあたり、ショウナンパンドラは、ジャパンCや皐月賞2着のドリームパスポートとは「いとこ」の関係になる。小柄でも成長力十分な一族である。

　ステイゴールドのイメージをダブらせるなら、開催後半のちょっと時計がかかるくらいの平坦新潟2000mはベストに近い条件。この中間もビシッと好タイムで追い切っている。バウンスシャッセ、ヘイジームーン逆転に期待したい。

　ハピネスダンサー、レーヴデトワール、マローブルー、マイネオーラムにも流す。