スキなしの完ぺきな騎乗/スプリンターズS

2014年10月06日(月) 18:00


スノードラゴンはこれからのスケールアップにも期待

 直前、10Rの直線1000mが55秒0。まずまずの時計だったこと(17番、16番、18番の上位独占だったが…)。また、距離1400mの9レースでは、最内を突いて先行した馬が快勝したから、前日の稍重から良馬場となった芝は、一見、だいぶ回復しているように映った。

 ところが、勝ちタイムは予測から1秒くらい要する「1分08秒8」。軽快なスピード能力と切れの生きる芝ではなく、パワーの必要なスプリント勝負だった。

 大外18番を引いてしまったスノードラゴン(父アドマイヤコジーン)は、枠順の決まった段階では大きな不利を覚悟したと伝えられるが、この日の馬場コンディションはパワー兼備のスノードラゴンにぴったりだった。外からスムーズな追走になったうえ、なによりのプラスは、最初からもっとも芝のいい部分を通れることになったこと。馬場を苦にすることもなく、「手前の変え方までスムーズだった(大野拓弥騎手)」という。

 行きっぷりが抜群に良かったから、自分から早め早めにスパートする形になり、小回りでも外に振られるロスがほとんどなかった。10年目で初GI制覇の大野拓弥騎手。スキなしの完ぺきな騎乗だった。

 この春から芝の路線にもどり、これでGIの1着、2着を含め、芝1200mは【1-2-0-1】。まだ最高タイムが今回記録した1分08秒8にとどまるので、高速レースに対する死角は残るものの、6歳秋とはいえ、まだまだこれからのスケールアップも期待できる。

 父アドマイヤコジーン(その父コジーン)は・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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