2014年10月10日(金) 18:00
◆Road to JBC対象レースを拡大する案
前々回のこのコラムで「JBCに向けての中央出走枠」と題して、「JBCと、その前哨戦としてのRoad to JBCからでも、中央の出走枠を増やすか、柔軟に対応できるようにすべきではないか」と書いた。
書いたものの、ではどのように中央の枠を増やせばいいかをその後考えていたのだが、ひとつ改善すべき点に思い当たった。それは、優先出走権のあるRoad to JBC対象レースが少ないのではないかということ。
JBCクラシックへは日本テレビ盃と南部杯、JBCスプリントへは東京盃と南部杯、JBCレディスクラシックへはレディスプレリュード、それそれの勝ち馬に優先出走権が与えられるのが、現在のRoad to JBC(南部杯勝ち馬は、クラシックかスプリントどちらかに出走可能)。そしてたとえばこの優先出走権を得た馬が中央馬であれば、出走可能頭数がわずか5〜6頭というJBCの中央枠を1つか2つ埋めてしまうことになる。
そもそも重賞1勝程度で賞金をあまり稼いでいない中央馬がJBCに出走するのは難しく、急激に力をつけてきたような馬がいたとしても除外される可能性がきわめて高い。たとえば今年の日本テレビ盃を勝ったクリソライト。レース後のインタビューで、「これでJBCに出られますよね」と音無調教師が確認するように話していたのが印象的だった。昨年3歳時にJpnIのジャパンダートダービーを勝っているとはいえ、もし日本テレビ盃で負けていれば、ジャパンダートダービー1着と、マーキュリーC2着の賞金では、JBCへ出走できるかどうかわからなかったのだ。
それで思いついたのだが、中央・地方の所属による枠とは別に、Road to JBC勝ち馬の優先出走枠を設けて、さらにRoad to JBC対象レースを7月以降に地方で行われるダートグレードにまで拡大してしまうというのはどうだろう。これによって、Road to JBCは、次のようになる。
■Road to JBCクラシック 大井・ジャパンダートダービー 盛岡・マーキュリーC 船橋・日本テレビ盃 盛岡・南部杯※ 金沢・白山大賞典
■Road to JBCスプリント 盛岡・クラスターC 佐賀・サマーチャンピオン 浦和・オーバルスプリント 大井・東京盃 盛岡・南部杯※
■Road to JBCレディスクラシック 川崎・スパーキングレディーC 門別・ブリーダーズゴールドC 大井・レディスプレリュード 盛岡・南部杯※
偶然にも、レース数のバランスがものすごくいい感じだ。南部杯の勝ち馬はいずれかに出走可能で、現状ではレディスクラシックへの優先出走権はないが、牝馬が勝てば優先出走としてもいいだろう。そして残った枠を中央と地方で半数程度に分ける。
フルゲート12頭の競馬場でのJBC開催で、仮に最大5頭の優先出走枠を中央馬が占めた場合、残り7頭を中央と地方で分けることになる。この場合、地方馬は最低3〜4頭になる可能性はあるが、そもそも優先出走権を得た馬がすべてJBCに出てくるとも限らないし、このローテーションなら同じ馬が複数のRoad to JBC対象レースを勝つ可能性も考えられる。地方馬が3頭になるというのはまれなケースだろう。
しかし実力差を考えればその程度の割合でも問題ないと考える。むしろJpnIという格にふさわしいレースになるのではないか。いずれ地方競馬が全体的に底上げされてRoad to JBCをいくつかでも勝てるようになれば、出走頭数が中央・地方で半々くらいにはなり、むしろそうなるのが望ましい。
どうだろう、来年以降のJBCで検討していただけないだろうか。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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