外国産のクラシック候補へ/シンザン記念

2015年01月10日(土) 18:00


脚を余した印象の前走

 シンザンは自分と似ても似つかないようなレベルの、自分の名を冠する記念レースの勝ち馬や好走馬を、きっとこころ良く思っていないのではないか、といわれた時代があった。厳寒期の1月にマイル重賞に出走してくるグループのレベルが高くなかった当時のことであり、当時、シンザンに続きたい同じ関西馬はあまり強くなかった。

 だが、やがて関西馬の大攻勢が始まる。本質マイラータイプの多い時代に変化すると同時に、2歳から、3歳初期の若い馬に対する各陣営のローテーションの組み方も変わった。牝馬にとっては、多頭数でごちゃつく12月のG1より落ち着いて成長を見守ることのできるレースにもなった。

 タニノギムレットのころからだろう。クラシックとは結びつきが乏しいとされた「シンザン記念」は、現在は有力な登竜門のひとつである。候補の多い有力厩舎にとっては、手駒を振り分けて出走できる重賞でもある。

 また、内国産馬の至宝シンザンは、シーキングザパールのころからは、才能ある外国産馬の台頭もこころ良く受け入れることになった。

 今年の3歳世代は、牝馬ショウナンアデラ、牡馬ダノンプラチナが満票でそれぞれ2歳チャンピオンに輝いてリードしているが、2歳重賞で注目の人気上位馬がほとんど壊滅状態だったように、クラシックに向けた路線は・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す