評価を決定的なものとしたルージュバック/きさらぎ賞

2015年02月09日(月) 18:00


ポルトドートウィユ、アッシュゴールドの評価を下げることはない

 春のクラシックロードの中で、とくに近年は重要な位置を占めるようになった京都1800mの「きさらぎ賞」を、単勝オッズ170円の評価を受けた牝馬ルージュバック(父マンハッタンカフェ)が、まったく危なげなく抜け出して完勝。3戦3勝となった。

 その素晴らしい能力は、上がり32秒8で楽々と抜け出した芝1800mの新馬戦や、のちに京成杯を力強く差し切ったベルーフを完封し、東京2000mをコースレコードの2分00秒8で楽勝した百日草特別の内容から、すでに牝馬路線のランキングでは最上位の評価を受けていた。

 だから、別に驚くことではないのだろうが、このきさらぎ賞で寄せつけなかったポルトドートウィユ(父ディープインパクト)、アッシュゴールド(父ステイゴールド)、さらにグリュイエール(父ディープインパクト)などは、牡馬のクラシック路線でそれなりの評価を受けるグループである。これで、ルージュバックの評価は決定的なものとなった。

 記者仲間の、あくまで冗談で、けっして今回負けたグループをおとしめるものではない回顧は、

――候補とされるような男馬は「牝馬に負けているようでは、面子というものが…」となるのがふつうだったが、近年のトップ牝馬にはまったく当てはまらず、もう最初から、立場が逆。「この程度の男馬に負けているようでは、わたしの経歴にキズが…」―――

 だった。

 次代の女王にもなろうかというルージュバックにとって、負けるような相手ではなかったのかもしれない。ポルトドートウィユも、オルフェーヴル兄弟のアッシュゴールドにとっても、面子丸つぶれではなく、ルージュバックさまと2-3馬身の差なら、「自分を誉めてあげたい」。やがて、そう振り返ることになる可能性さえあった。

 またまた、ハープスター(今週の京都記念に出走)、ジェンティルドンナ、ブエナビスタ、ウオッカ、ダイワスカーレット、アパパネ…。新しい女王の台頭である。

 このあと、どんなステップになるのだろう。同じように1800m、2000mからスタートしたダイワスカーレットの例があるから・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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