二強に明暗・京都記念/ダービー候補出現・共同通信杯

2015年02月16日(月) 18:00


キズナの評価はむしろ上がったのではないか

 断然の人気を集めたハープスターは5着に沈み、一方のキズナも3着にとどまった京都記念。レース直後は、2頭の期待を下回る敗走にみんな「がっかり」だった。しかし、少し冷静になって振り返ると、悲感するには及ばないのではないか、という一面が大きいことに気づく。

 まず、馬場コンディションの違いはあるにせよ、『前半61秒2-(12秒2)-後半58秒1』=2分11秒5は、1995年に現在の2200mになって以降のレースレコードである。上がりは「45秒7-34秒0-11秒6」。レースの中身は凡戦どころではない。

 勝った5歳ラブリーデイ(父キングカメハメハ)は、同期のキズナの制した日本ダービーを0秒4差に突っ込んだ期待馬であり、エピファネイアなどと同様の上がり33秒9を記録している。

 そのあとすぐ本物になったわけではないが、5歳の今年は中山金杯2000mを「1分57秒8」の快レコードで快勝。調教の動きが実戦と結びつくようになり、絶好調。好調の波に乗るキングカメハメハの代表産駒の1頭にふさわしく、この2000-2400m級こそベスト。2強を倒すならこの馬だろう。伏兵ではなく3番人気の支持を受けた候補だった。

 マイペースに持ち込んだあと、差し返すようにハナ差の2分11秒5(上がり34秒0)のスズカデヴィアス(父キングカメハメハ)にしても、昨年の日本ダービーを0秒8差に食い込んだ馬であり、逃げ=先行型となってオープンに出世してきた現在は、この組み合わせで4番人気の高い支持は少しも不思議ではなかった。キズナに先着した2頭は、一連の成績よりまたスケールアップしてみせたのであり、人気のハープスター、キズナが凡走したから浮上したのではない、という素晴らしい内容である。3着のキズナ、5着のハープスターを振り返る前に、わたしたちはキズナでも、ハープスター自身でもないから、1-2着馬の2頭を正当に評価したい。

 キズナ(父ディープインパクト)は・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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