2015年02月23日(月) 20:00
▼海外で初めて持ったハーバースデイはデンマークで走った。口をとっているのが齋藤オーナー
海外5か国にわたり、6頭の競走馬を所有する齋藤隆史オーナー。国内の競馬ではなく、海の向こうでの馬主人生を求めた理由とは何なのか。現地とのやり取りは、馬事情や相場は――。異色の馬主に、知られざる海外馬主生活の愉しみを聞いた。
聞き手:奥野庸介(TIS)
――齋藤さんはハンガリー、イギリス、フランス、オーストラリア、ドイツに全部で6頭の競走馬を所有されています。しかし、だからといって、とびぬけて裕福というわけでもない。どちらかというと普通の感覚をお持ちですよね。
「ええ、そうですね。いまは有限会社バースデイという会社で学習塾や、ベビー服のリサイクル店などを経営しています。自分でいうのもなんですが、そんなに裕福ではありませんよ(笑)」
――いうなれば、中小企業でがんばっている経営者といったような感覚ですね。そんな斎藤さんが、海外で馬を持ちたいと思ったきっかけはなんだったんでしょうか。
「海外旅行が好きで、海外の競馬を見にいく機会が多かったんです。最初はアジアから、オーストラリアとか、ヨーロッパとか。そうしているうちに海外のほうが馬を持つ経費が安いんじゃないかっていうことがわかってきて、もともと馬主が夢だったので、徐々に気持ちが高まってきたという感じでしょうか」
――最初の馬を持ったのはどんな経緯だったんですか?
「う〜ん、あのときは本当につてもないので、Facebookで関係者を探して、やりとりして、ということをしているうちに、ひとりが『北欧に馬を所有している。買わないか』ということを言ってきて、それで条件を詰めていくうちに本気になっていったという感じです。当時2歳の牝馬でした。4年ほど前のことです」
――連絡はメールですか? 電話?
「英語は、読み書きはできるんですが喋るのが苦手なので、すべてメールでやり取りしました。あとは、所有馬のビデオを送ってきたのでそれを見ましたね」
――具体的には、どんなやり取りだったんですか。
▼Facebookから始まって、いまは海外5か国で6頭を所有するまでになった
「その人はエージェントだったんですが、僕からみっつ条件を出したんですよ。ひとつは、自分で名前をつけられるか。ふたつめは、自分で勝負服を作ることができるか。最後は、クラシックレースに出すことができるか」
――最後のひとつが難しそうですね。
「デンマークにいる馬だったんですが、デンマークのオークスは1歳に登録する必要があって、出られない。でもノルウェーのオークスなら登録できるし、そこなら登録料さえ払えば出られるだろうというから、決めたんです。そのエージェントは『勝負になるかもね』なんて言っていましたが、いま考えればスピードがないのを見越して、長い距離なら、まだましだろうという意味だったんでしょうね(笑)」
――馬主登録も、そのエージェント経由で行ったんですか?
「僕はメールで連絡するだけで、馬主の資格などのすべての手続きを代行してもらいました。書類もそれほど多くなく、馬主になるハードルは日本と比べてかなり低かったですね」
――エージェントとのやり取りは最後までスムーズにいきましたか?
「それが、僕としては彼と半々で所有して経費を折半にするつもりでいたのに、しばらくしてから調教師から連絡があって『この馬は君の個人所有になっている』って言われて。あれーっ、という感じになってしまったんです……。ともあれ僕の馬主人生は彼のおかげでスタートしたことには変わりありませんので、いまは感謝していますよ」
――購入金額や経費はどれ位かかりました?・・・
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