今年の中山牝馬Sは、京都牝馬Sを逃げ切ったケイアイエレガントが人気の中心となりそうだ。同馬の重賞連勝なるか、それとも重賞初制覇を狙うスイートサルサや有終の美を飾りたいアイスフォーリスなどがこれを阻むか。出走を予定している主な有力馬は次の通り。

■3/15(日)　中山牝馬S(4歳上・牝・GIII・中山芝1800m)

　ケイアイエレガント(牝6、美浦・尾形充弘厩舎)は前走の京都牝馬Sを逃げ切り勝ち。重賞2勝の実績はここでは最上位で、このレースも昨年2着(同着)と好走している。ハンデは背負わされそうだが、今回も当然上位争いが期待される存在だ。

　スイートサルサ(牝5、美浦・菊川正達厩舎)は前走の愛知杯で後方2番手から追い込み、ディアデラマドレと0.3秒差の3着に入った。東京、新潟、中京と左回りのコースばかりを使ってきただけに、右回りへの対応がカギとなるが、ここで突き抜ける力は十分にある。

　バウンスシャッセ(牝4、美浦・藤沢和雄厩舎)は昨年のオークスで3着に入ったあとは結果を残せていないが、今回は重賞初制覇を果たしたフラワーCと同じ舞台。復活が期待される。

　その他、ここが引退レースとなるアイスフォーリス(牝6、美浦・相沢郁厩舎)、オークス5着・秋華賞4着の実績があるブランネージュ(牝4、栗東・藤岡健一厩舎)、京都牝馬Sで3着に入ったパワースポット(牝7、美浦・菊沢隆徳厩舎)なども上位進出を狙う。発走は15時45分。

【データ分析】

人気(中山で行われた過去9回)…1番人気は[3-0-1-5]勝率33.3%、複勝率44.4%。1〜5番人気の人気馬が[5-4-2-34]単勝回収率59%、複勝回収率56%と水準以下の不振傾向。単勝オッズ10倍以上の馬が[4-6-6-88]複勝回収率104%と3着以内の半数以上を占める荒れるレース。特に良馬場以外で行われた3年は3連単が12年62万馬券、09年139万馬券、07年60万馬券と毎回大荒れしている。

年齢(中山で行われた過去9回)…4歳馬が[1-4-0-48]複勝率9.4%、複勝回収率41%なのに対し、5歳馬[4-3-6-35]複勝率27.1%、複勝回収率142%、6歳馬[3-3-2-24]複勝率25.1%、複勝回収率110%、7歳以上[1-0-0-10]単勝回収率282%とキャリア豊富な馬が好成績。特に近年はキャリアという意味で、14年1着フーラブライド(2走前愛知杯12番人気1着)、14年2着キャトルフィーユ(前走愛知杯14番人気2着)、14年2着同着ケイアイエレガント(前走1600万特別10番人気1着)や、13年1着マイネイサベル(2走前府中牝馬S10番人気1着)、13年3着オールザットジャズ(前年同レース7番人気2着)、12年1着レディアルバローザ(前年同レース10番人気1着)など、人気薄で好走した経験を近走に持つ馬の激走が目立つ。

前走着順(中山で行われた過去9回)…前走5着以内の馬は[5-8-4-42]複勝率28.8%、複勝回収率124%とやや好調。中でも前走が(キレ味を求められる)東京・京都競馬場だった馬[4-6-4-27]複勝率34.1%、複勝回収率156%や、父系が(キレ味のある)サンデー系ではない馬が[4-3-2-18]複勝率33.3%、複勝回収率146%と複勝率・複勝回収率共に向上するように、パワーやスタミナが求められるこのレースで前走からの上積みが期待できる馬が狙い目。また、前走6着以下の馬は[4-2-3-75]複勝率10.7%、複勝回収率60%とやや低めの数値だが、当日良馬場の場合が[1-1-2-49]単勝回収率23%、複勝回収率24%、良馬場以外の場合が[3-1-1-26]単勝回収率183%、複勝回収率121%と当日の馬場状態によりこれまでの成績の解釈が異なる点に注意が必要である。

◆ケイアイエレガント

・一週前調教診断/井内利彰

　前走京都牝馬Sで重賞2勝目。2勝に共通する追い切り内容は本数の多さ。中2週とレース間隔が詰まって、京都までの遠征がある前走も、中5週とレース間隔のあいた福島牝馬Sもローテーション以上の追い切り本数をこなしており、牝馬らしからぬタフな追い切りが同馬の特徴。

　それを思うと、今回は・・・