週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

2004年03月16日(火) 14:03

 昨年のG1アスコットGC勝馬ミスターディノスや、G1レーシングポストトロフィーの2着馬で今季の英国3歳クラシックの有力候補となっているファンタスティックビューらが出て、注目度が一気に向上している『タタソールズ・ブリーズアップセール』が、4月14日・15日の両日、英国のニューマーケットで行われる。

 2月24日の『ファシグティプトン・コールダーセール』セールで、フサイチペガサスの産駒が450万ドルという2歳セールのワールドレコードを樹立したが、『タタソールズ・ブリーズアップセール』のスター候補と目されているのも、フサイチペガサス産駒だ。欧州におけるコンサイナーの最大手バンシャハウス・ステーブルから上場される、上場番号49番の牡馬がその馬。母は現役時代、2歳の8月に古馬相手にG1ナンソープSを制した歴史的名牝リリックファンタジー。育成場関係者によると「これまでリリックファンタジーは目立った子を出していないが、この馬は違うよ。母の速さに父のスケールが加味された馬で、ウチでの評価は超Aランク」と絶賛。実際にどんな馬なのか、私も実馬を見るのをおおいに楽しみにしている。

 上場番号61番の牡馬は、一昨年の愛オークス馬マーガルーラの弟。父は凱旋門賞馬シンダーらを輩出しているグランドロッジ。上場番号66番の牡馬は、母が愛1000ギニー馬クラシックパーク。父はこの世代が初年度産駒となる凱旋門賞馬モンジューだ。上場番号139番の父デインヒルの牝馬は、祖母が愛オークス馬シュートアライン。すなわち、いとこにケンタッキーダービー馬サンダーガルチや、日本で走ってダート戦線で活躍したバトルラインらがいる牝系だ。

 上場番号156番の牝馬も、父デインヒル。おばにG1マルセルブーサック賞勝馬マクーンバや、G1ラフォレ賞勝馬セティエームシェルらがいる、活力あるファミリーの出身だ。日本で走り、芝・ダートを問わず短距離で活躍したワシントンカラーの弟にあたるのが、上場番号163番の牡馬。父はこの世代が初年度産駒となるアーリントンミリオン勝馬チェスターハウスだ。

 過去最高の上場馬が揃ったと言われる『タタソールズ・ブリーズアップセール』。市場がどんな動きを見せるか、興味深く見守りたい。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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