順当な結果の可能性は低い/中日新聞杯

2015年03月13日(金) 18:01


一段と柔らかくなったフットワーク

 土曜日とあって、3場開催のローカルに相当する中京にはあまり騎乗しない多彩な顔ぶれのジョッキーがそろった。歳の順に、横山典、蛯名、四位、岩田、柴田大、M.デムーロ、川田騎手など……。多頭数のハンデ戦、中京コースの2000mはきわめてペースが読みにくい。

 最近10年、単勝オッズ「200-300円」級の断然の人気馬がいると、さすがにそういう人気馬は簡単に崩れないが、そうでない年は決まって波乱のパターンができている。

 今年、人気はかなり割れそうに思える。小倉で行われた年も含めて最近10年、各年に連対した人気薄の方は「8、3、8、10、5、6、11、9、5、10」番人気だったという数字も、ハンデ戦になった2006年以降、57キロ以上のいわゆる実績上位馬は【1-2-1-25】。勝ち馬は1頭だけ。連対率は.103という記録もある。人気通りに順当という結果は可能性が低いだろう。

 55キロの6歳馬ダノンジェラート(父ディープインパクト)から入りたい。

 前走の勝利で6歳になってようやくオープン入りだが、3歳夏、3戦目に500万平場を勝った直後に、強気に「セントライト記念」に挑戦。フェノーメノから差のある3着で挑戦権を得ると、わずか4戦のキャリアで「菊花賞」に出走。ゴールドシップの7着(1秒0差)に善戦健闘し、3000mを3分03秒9で乗り切った記録がある。

 そのあと再三の馬体調整で休み休みの出走。6歳馬ながらまだ14戦しかしていない。G1菊花賞を別にすると、通算【5-5-3-0】。凡走は1度もなく、今回の2000mに限ればほぼパーフェクトの【4-1-0-0】。順調に使えるようになったいま、いよいよ本格化しかかっていると考えるなら、ハンデ55キロでこの組み合わせなら、最初から通用して不思議ない。なによりの強調点は、体全体をつかったフットワークが一段と柔らかくなったことである。切れ味を生かしたいディープインパクト産駒にとり、開幕週の良馬場見込みの馬場も条件絶好。前半置かれるレース運びではなく、マイル戦でも好位を追走できるくらいの戦法の自在性もある。

 本線は、岩田騎手が得意のインを衝けそうな2番枠を引き当てたサングレアル(ブエナビスタの下)。もう1頭、完調には一歩とされるが、ローカルコース得意なユールシンギング(父シンボリクリスエス)が魅力。本調子手前だった昨年も0秒1差だった。M.デムーロ騎手はこの中日新聞杯【3-0-1-1】である。  以下、有力馬に流し、伏兵にはパッションダンスを加えたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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