距離経験の強み/青葉賞

2015年05月01日(金) 18:00


ビシッと追って気配絶好

「青葉賞」というレース名は、重賞に昇格する以前も以前、1976年のクライムカイザー=トウショウボーイの日本ダービー当時から、この時期のステップレースのひとつだった。距離が1800m→2000m→2300m→2400mと変わった1980年代前半から重要度を増し、ダービーや、秋の菊花賞の伏兵が頭角を現すダービーと同じ距離のレースとなった。

 重賞となったのは1994年から。いきなり青葉賞の勝ち馬エアダブリンがナリタブライアンの2着。2002年シンボリクリスエス、2003年ゼンノロブロイ、2006年アドマイヤメイン、2011年ウインバリアシオン、12年フェノーメノ。21回の青葉賞の勝ち馬から、日本ダービー2着馬が6頭も出ている。3着馬も増えてきた。

 距離OKの長距離タイプが少なくなった近年になるほど、同じ東京2400mのトライアルとあって、青葉賞で出走権利を得た馬のダービー好走例は多くなっている。現に、最近は4年連続して青葉賞組が日本ダービーで馬券に関係(3着以内)している。

 そろそろ「青葉賞→日本ダービー」の連勝馬が出現して不思議はないかもしれない。少なくとも、馬券に絡む馬が出現する可能性は今年もかなりある。

 阪神2400mのアザレア賞を上がり34秒0(レース上がりは35秒1)で鮮やかに差し切ってきたレーヴミストラル(父キングカメハメハ)に期待したい。

 父キングカメハメハは今年2月には東西合わせ1日でJRA11勝を記録するなど、絶好調。4月30現在、ディープインパクトに約1億円の差をつけて全日本種牡馬総合ランキングのトップを走っている。

 母レーヴドスカー(その父は芦毛のゼダーン直系のハイエストオナー。トニービンと同父系)は、阪神JFのレーヴディソールなど数多くの活躍馬を送るが、アプレザンレーヴは2009年の青葉賞勝ち馬(ダービーは5着)。レーヴドリアンはきさらぎ賞を2着し、ちょうどこの時期の京都新聞杯を3着するなど、男馬に出ると母方の特徴を色濃く出して中・長距離型になる傾向がある。

 東上を直前にビシッと追って気配絶好。距離経験の強みを生かしてくれるだろう。

 人気を分けるレッドライジェル(父ディープインパクト)は、美浦の藤沢厩舎の所属馬。青葉賞といえば藤沢厩舎とされるくらいで、前出のシンボリクリスエス、ゼンノロブロイのほか、10年にはペルーサで勝ち、08年クリスタルウイングの2着もある。目下2連勝中のレッドライジェルは、過去の勝ち馬と同様、ここにきて急上昇している。  3番手にブラックバゴ(父バゴ)。ホープフルS→京成杯→スプリングSと、中山では不器用な一面が災いして善戦止まりだったから、東京コースでこそだろう。カカドゥタンタアレグリア、巻き返したいティルナノーグスモークフリーが連の押さえ。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す