スタミナと高速馬場への対応力/天皇賞・春

2015年05月02日(土) 18:00


どの馬も死角アリ

 かつて、東京の3200mに比べると「順当」に近い結果が多かった京都の2マイルは、近年は波乱など当然、大波乱も珍しくない。

 大きな理由のひとつは、日本だけにとどまらないが、距離3200mOKタイプが極めて少数派になったこと。また、3200mを大きな死角とはしない長距離型がいるとしたら、その馬はおそらく京都の高速馬場は合っていないからである。

 1番人気馬の近年の大不振は知られるが、別に1番人気馬だけが不振となる複雑な理由はなく、最近10年、1-3番人気に支持された30頭の中から生まれた勝ち馬は、たった「5頭」にとどまる。キズナが危ないだけではなく、ゴールドシップも、アドマイヤデウスも、サウンズオブアースも危ない。5番人気馬も、6馬人気馬も危ない。もちろん、それ以下の支持にとどまる馬はもっと危ない。

 昔もむかし、大昔のこと。「あの馬は今回はいらないよ」と、周囲のあまり競馬に詳しくない仲間にささやいて、アイツは当たる、と、評判になった男がいたという。でも、「じゃあ、何が勝つの」と聞かれて、当たったことはなかった。という笑い話がある。

 今年は17頭立て。勝ち馬は1頭だけ。あの馬は勝てないよ、は、もしみんなの力が接近しているなら、十中八九、いや、17分の16の確かさで的中する。しかし、逆に勝ち馬は17分の1の確率でしか当たらない。

 4歳馬らしく急速に力をつけているアドマイヤデウス(父アドマイヤドン)から入りたい。まだキャリアは浅く、順調なオープン馬とするなら、前回の日経賞2500mは・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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