クロスクリーガー9馬身差圧勝の評価は?/兵庫チャンピオンシップ

2015年05月07日(木) 18:00


◆中央馬のほとんどが初めて経験する地方の小回りコース

 近年では3歳のこの時期でも中央のダート路線の層がかなり厚くなっていて、それはこのレースの過去3年、いずれも中央馬5頭が掲示板を独占という結果にも顕著に表れている。この兵庫チャンピオンシップを見る限り、そうした傾向は2008年ごろからのようで、08、09年も中央馬が上位4着までを独占。2010年には地元兵庫の馬が3着に入ったものの勝ち馬からは9馬身差、2011年にも地元馬が2着に入ったが6馬身の差をつけられていた。

 その2008年からの7年間では、伏竜Sを勝ってきた馬が活躍しているという傾向もあった。2010〜12年の3年間こそ伏竜Sの上位馬の出走はなかったが、それ以外の4年間は伏竜Sの勝ち馬が2勝2着2回と必ず連対していた。

 そして今回は、その伏竜Sの1〜3着馬が揃って出走。1着がクロスクリーガーで、2着のリアファルはクビ差、3着(同着)のタンジブルは3馬身半とやや差があった。おもしろいのは今回の単勝オッズ。その3頭が一桁オッズで人気を集め、順に1.6倍、2.6倍、7.5倍と、伏竜Sの着差がそのまま単勝オッズにも反映されていた。

 しかし結果は極端なものとなった。外枠からクロスクリーガーがハナを主張し、リアファルがぴたりとマークするように2番手。1周目のゴール板あたりから3番手以下は徐々に離された。3番人気のタンジブルはスタートでダッシュがつかず最後方に取り残されたことで苦しい競馬になった。ところが3コーナーあたりからクロスクリーガーがリアファルとの差を徐々に広げ始め、直線を向いて追い出されると9馬身差をつけてのゴール。1、2着の着順こそ伏竜Sのままだったが、着差は大きく開いた。クロスクリーガーは文句のつけようのない圧勝で、その強さだけが目立ったレースだった。

 ただ兵庫チャンピオンシップは・・・

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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