2015年05月15日(金) 18:00
スローペースが悪いわけではない。持ち味を生かすための作戦というものがある。サンデーサイレンスの血を持つ馬が多いから、スローでも控えた方がいいことも多い。
物足りないのは、多頭数だと直線で馬群が固まり、明らかに脚を余す馬が続出することと、「流れてくれなかった」など、能力を出し切れなかった敗因を他の人馬のせいにするコメントが出てしまうことである。
古馬マイル路線の頂点にある安田記念を3年連続して先導し、マイルチャンピオンSでもレースを作り、マイラーズCを連勝したシルポート型がいると自然にレースは盛り上がるが、行きたがるのを引っ張ったり、なだめ通しだったりは、日本の1400mや、1600mではレベルの低いレースということになるだろう。
今週は、土曜16日の「京王杯SC」1400mも、日曜17日の「ヴィクトリアマイル」1600mも緩い流れに陥る可能性が非常に高い。陣営や騎手は、ファンよりはるかに位置取りや全体のペースを考えているから、「このメンバーなら…」と積極策に打って出る人馬がいるはずだが、それでも緩いペースは避けられないだろう。
日曜のヴィクトリアマイルは、たとえスローでも牝馬特有の「切れ味勝負」になりそうなので、流れはそんなに重要ではなくなるかもしれないが、土曜の京王杯スプリングCはスピード能力最優先の1400mである。それが近年の傾向どおり「スローに近い流れ」で展開するとなると、難しくなる。なにせ全馬の最近の成績を見てのとおり、前3戦で先手を奪った馬は1頭もいない組み合わせである。先行策を取った馬も少ない。
この多頭数で、今週から「Bコース」である。できればコースロスを避け、芝状態も悪くないはずのインに突っ込みたい。だが、スローに近いペースだとだれもバテたりしないから、馬群の密集するインでスペースを探し、能力全開の切れ味を発揮するのはそれこそ大変である。ハイペースになりそうもないことは先刻承知でも、終わって脚を余した陣営から、禁句の「流れてくれなかった」。無意味な敗因が語られそうである。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
柏木集保「土曜メインレース展望」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
枠順確定
京王杯SC
予想オッズ
京王杯SCの人気をチェック!
予想
京王杯SC、プロの◎は?
特集
京王杯SCを完全攻略!
コラム
1400m得意のダイワマッジョーレが貫録を見せるか/京王杯スプリングC
競輪
競輪を気軽に楽しもう!全レース出走表・競輪予想、ニュース、コラム、選手データベースなど。