2015年07月06日(月) 18:00
ハンデ戦になった2006年以降、秋のビッグレースに直結することが少ない、少し軽い印象も与えかねない中距離1800mのG3重賞だが、世代のトップに立つ2冠馬ドゥラメンテ(父キングカメハメハ、堀厩舎)が長期の戦線離脱を余儀なくされている今年は、トップグループに加わる新星の台頭が期待された。
トップハンデ馬が勝ったのは、ハンデ戦になって10年。この56.5キロのアンビシャスが初めてである。同じ1800mの共同通信杯でそのドゥラメンテと接戦を展開していたのだから、順当な重賞制覇だったのはたしかだが、トライアルのプリンシパルS・2000mを快勝しながら、「日程がこの馬にはちょっときつい。距離に多少の心配もある…」として、ふつうは少々の無理など承知で出走しても不思議ない日本ダービーを、あえて回避している。脚部不安があったわけでも、決定的な距離不安があったわけでもない。きわめてまれな判断だった。
プリンシパルSのあと、ちょうど2カ月ぶりのラジオNIKKEI賞を、同じC.ルメール騎手で快勝し、これでC.ルメール=アンビシャスは【3-0-0-0】。秋のビッグレースで望ましい結果に結びつくとき、「日本ダービー断念」回避は、素晴らしい判断だったことになる。
たら、れば…ではないが、ドゥラメンテの快勝した日本ダービーに挑戦していたら・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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