今後、陣営の選ぶ日程に注目/七夕賞

2015年07月13日(月) 18:01


「難解な七夕賞」の完全復活

 夏の福島の開催4日目(2週目)に移ったのは、マイネルラクリマの勝った2013年からのこと。いきなり「1分58秒9」のレースレコードだった。メイショウナルトの逃げ切った昨2014年、七夕賞のレコードはさらに更新されて「1分58秒7」となり、今年は、3年連続のレースレコード「1分58秒2」が記録された。

 これには時期だけでなく、芝刈りのタイミングも関係すると思われる。今週は、いつもよりふさふさ伸びた印象もあった第1週とは一変、7日(火)の芝刈りでかなり芝の長さが変化し、土曜日から芝コースの時計は明らかに速かった。

 この時計勝負の芝コンディションを最大の味方にできたのは、1800m(京都)に1分43秒9の日本レコードをもつグランデッツァ(父アグネスタキオン)だった。前回の鳴尾記念では折り合いを欠いたうえ、勝負どころでさらに下げる騎乗で不評を買った川田将雅騎手だが、結果は、前回のムリを承知で下げた騎乗が今回の快勝に見事につながったのである。前回の川田騎手=グランデッツァのあまりにも…のレース運びを嫌ったファンは、失敗だったかもしれない。

 グランデッツァはこれで3歳以降、14戦【3-1-1-9】。トップクラスのオープン馬とすれば非常に波の大きい成績である。もう折り合いの不安はなく、先行して抜け出すだけでなく、タメが利けば好位から伸びる脚質の幅を身につけたとしていいが、楽々と日本レコードを樹立するくらいだから、状態のいい時に爆走する燃焼型であるようにも思える。いつも調教は動くが、今回のように「それにしても身のこなしがいつにも増して鋭い」。そんな動きが伝えられたときが、グランデッツァのチャンスなのだろう。3歳以降、ここまで連続連対はない。

 もう、6歳夏。サマー2000シリーズのチャンピオンを狙う手はある。暑い夏の無理は避け、秋のビッグレースでやっと本物になったグランデッツァの真価を問うローテーションもある・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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