自らスローを脱し逃げ切り/関屋記念

2015年08月17日(月) 18:00


近年の関屋記念を象徴するペース

 前半はゆっくり入り、最後の直線約660mで猛然とスパート。すっかりこのパターンが完成された新潟のマイル重賞は、今年は頭数が12頭と少なく、確たる先行馬もいなかった。

 かなりのスローが予測されたが、それにしても最初が遅かった。過去の関屋記念のスローペースの代表例は、マルカシェンクの勝った2008年、レッツゴーキリシマの逃げ切った2010年がその典型。今年はその2年に並び、近年の関屋記念を象徴するペースになった。

    前半600m-800m-(1000)後800m-600m
08年 「36秒0-48秒3-(59秒9)-44秒5-32秒9」=1分32秒8
10年 「36秒2-48秒2-(59秒7)-44秒7-33秒2」=1分32秒9
15年 「36秒4-47秒9-(59秒3)-44秒7-33秒3」=1分32秒6

 2008年は、前後半800mの差が「3秒8」も生じ、前半1000m通過は59秒9。レース上がり32秒9だった。今年はそこまでではないが、前後半の差は「3秒2」もある。

 スタート直後、どの馬も先頭に立って目標になるのを嫌ったか、前半3ハロンは「13秒2-36秒4…」だった。スタート直後の「13秒2」。また前半3ハロン「36秒4」は、2001年に現在の直線の長い新潟コースに変わって以降、今年がもっとも遅く、最初はゆっくり出てスローという点では、史上最遅のスローだったかもしれない。

 1週目の古馬500万条件の新発田城特別1600mは、1分33秒2の決着。レースの内容は、「34秒5-46秒0-(57秒9)-47秒2-35秒3」である。

 前半800mの入りが「約2秒」も速くても、レース全体の勝ち時計は関屋記念と大差ない1分33秒2にとどまるから、レベルは別にして・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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