私の馬券ノート

2015年09月19日(土) 12:00


 京成杯オータムハンデが行われた先週の日曜日、春以来、久しぶりに中山競馬場に行った。

 このコラムのシリーズ企画として「私の馬券ノート」的なものがあると、特にGIシーズンは楽しいかもしれない。私はパドックをじっくり見るほうなので「パドックノート」でもいいのだが、それだとレース終了後時間が経ってしまうと、書くほうも読むほうも印象が薄れてしまう。

 ということで、2015年9月13日、4回中山2日目の反省会をしたい。

 先に言っておくが、ひどいトリガミだったので、簡単に済ませる。

 最初に買った中山第9レースの木更津特別。朝日杯フューチュリティステークスでも本命にした8.ショウナンワダチの単複。12着。応援馬券だから仕方がない(この考え方がマズいのかな)。

 中山第10レースのながつきステークス。中山ダートでは[2-5-1-1]とほとんど崩れていない11.キタサンミカヅキの単複。2着。複勝640円的中。その11と7.アジアンテーストの馬連とワイド、2着-9着。

 キタサンの武士沢友治騎手は、後方で脚を溜め、直線でスムーズに外に出して鋭い末脚を引き出した。見事だった。

 ここまではよかった。といってもトントンぐらいだったのだが――。

 中山第11レースの京成杯オータムハンデ。7.アルビアーノの単複。7着。その7と6.グランシルク、9.レッドアリオン、10.ダローネガ、13.ヤングマンパワーの馬連とワイドボックス。7着-4着-16着-8着-3着。

 この日、私は「名馬の予感」を漂わせているアルビアーノを見るため、中山を訪れたようなものだった。ラスト200メートル地点で先頭に立ったときは、そのまま押し切るかに見えたが、ゴール前で脚が鈍った。勝ったのは、直線に向くまで最後方に待機し、馬群をこじあけるように伸びてきたフラアンジェリコだった。

 ――ノーマークだったなあ。

 と馬柱を見直した。中山芝で[1-2-0-7]なら来ても不思議ではないし、昨秋の福島記念で2着。前走の七夕賞も、11着という着順ほど負けていない。ハンデは53キロ。

 さらに、母の名を見て頭を抱えた。カーリーエンジェル。先月と先々月、遊びに行ったホーストラスト北海道で会ってきた馬だ。サンデーサイレンスの妹のサンデーズシスに好かれて追いかけ回されて困っている写真をこのコラムに掲載した、あの馬である。

 自分の注意力のなさが情けなくなった。レース前に気づいていれば、複勝ぐらいは買っていたかもしれない。買わなかったとしても、あの馬の仔だと知っていたうえで切ったのなら、こんなに悔しい思いはしなかっただろう。

 去年までの過去10年、このレースで1番人気は一度も連対しておらず、2007年のマイネルシーガルの3着が最高だった。アルビアーノが敗れたことで、01年に勝ったゼンノエルシドを最後に、14年連続、1番人気が連を外したことになる。

 一発逆転を狙った中山第12レースの3歳500万下。パドックでよく見えた5.カイマノア、7.バルブランシュ、11.ピュアリーソリッドの単複と馬連とワイドボックス。5着-16着-13着。

 阪神第10レースの西宮ステークス。9.ピオネロ、13.ダノンムーンの単複と馬連とワイド。6着-2着。13の複勝220円的中。

 阪神第11レースのセントウルステークス。8.バーバラの単複、その8と2.リトルゲルダ、7.ハクサンムーン、13.ミッキーラブソングとの馬連とワイドボックス。3着-9着-8着-7着。8の複勝460円的中。

 手短にするつもりが長くなった。それにしても、我ながら「競馬って何着を当てるものなの?」と思ってしまう買い方である。

 何通りも買いながら、複勝しか当たっていない。今週は複勝だけにしてみようか。

 ローズステークスとセントライト記念は、どちらもいいメンバーが揃った。今、出走馬の母と祖母、きょうだいを確認した。

 どの複勝を買ったかは、気力がつづいていれば、来週報告したい。

 さて、今、競馬ブックウェブの「調教師記録達成あと少し」を見たら、「松田国師(栗東)通算500勝あと1勝。田所秀師(栗東)通算300勝あと1勝」となっている。

 マツクニ先生は7月26日の函館で王手をかけて、その後、3着が2回。今週は4頭を出走させる。

 田所師は8月15日に王手をかけてから3着以内はゼロ。今週は一挙7頭を出走させてくる。勝負をかけてきたのか。

 自分のことより、こちらのほうが面白そうだ。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

島田明宏

作家。1964年札幌生まれ。Number、優駿、うまレターほかに寄稿。著書に『誰も書かなかった武豊 決断』『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』(2011年度JRA賞馬事文化賞受賞作)など多数。netkeiba初出の小説『絆〜走れ奇跡の子馬〜』が2017年にドラマ化された。最新刊は競馬ミステリーシリーズ第6弾『ブリーダーズ・ロマン』。プロフィールイラストはよしだみほ画伯。バナーのポートレート撮影は桂伸也カメラマン。

関連サイト:島田明宏Web事務所

関連情報

新着コラム

コラムを探す