今年のGI戦線の見どころは…

2015年09月26日(土) 12:00


GIで最も長く出ていない目

 来週のスプリンターズSから秋のGI戦線が始まります。と同時に、今年の競馬もあと3カ月。いよいよ第4コーナーにさしかかるわけです。そこで今回は、終盤戦へ向けて私が勝手に見つけた“見どころ”をご案内します。

 今年2月の当コラムで、GI(JRAのレース、障害を除く)の(枠連の)出目について書いたのを覚えていますか?去年まで5年続けて、どこかのGIでゾロ目が出ていること、枠連3-4が07年のスプリンターズSを最後に出ていない(だから出たがっている?)こと、などを紹介しました。するとその後、桜花賞で3-4が出たんです。さらにヴィクトリアマイルも3-4。注目の目(?)が立て続けに出ちゃいました。

 これで、GIで最も長く出ていない目(ゾロ目を除く)は1-6に代わっています。この目が最後に出たのは2010年のヴィクトリアマイル(1着=6枠11番ブエナビスタ、2着=1枠2番ヒカルアマランサス)。1枠というのはGIで出やすい目で、去年は全20戦のうち8戦で出ているのですが、1-1、1-4、1-6は出ませんでした。ソロソロ、かもしれませんね。

 でも、「じゃあ、スプリンターズSで!」なんて焦らないでください。同レースでは、04年に1枠1番のデュランダルが2着に来たのを最後に1枠が出ていません。中山芝1200メートルの最内枠は不利のようです。逆に、ここ10年で5回も1の目が出ているのが天皇賞・秋。東京芝2000メートルは最内有利というのを改めて思い知らされます。1-6を狙うならここでしょう(スプリンターズSで出ちゃったらゴメンナサイ)。

 さて、今年のリーディングジョッキー争いは、福永騎手が独走態勢を固めつつあります。ところが、同騎手にはまだ今年のGI勝ちがありません。去年の戸崎騎手もGI未勝利の状態で最終週を迎えたものの、最後の有馬記念を制して見事リーディングトップの座に花を添えました。さぁ、今年の福永騎手はどうなるでしょう?ちなみに、1984年のグレード制導入以降、同年のGI0勝でリーディングジョッキーとなったのは、87年の岡部幸雄騎手、88年の柴田政人騎手、12年の浜中俊騎手の3人だけです。

 また、現時点でリーディング10位以内にいる蛯名騎手が今年重賞未勝利なのも異例と言えば異例。去年まで、蛯名騎手は92年以降実に23年連続で重賞勝ちを収めてきました。同日に東西で行われる重賞に掛け持ち騎乗することはできませんから、今後、すべての重賞に乗れたとしてチャンスは最大27戦(=9月25日以降で重賞が行われる日の数)。でも実際には20戦騎乗できたらいいほうでしょう。蛯名騎手は、06年に「これを逃したら残りは2週しかない」という暮れの朝日杯フューチュリティSでその年唯一の重賞勝ちを挙げたことがあります(=ドリームジャーニー)。なので今年もたぶんどこかで勝ってくれるとは思いますが…。

 あなたもぜひ、自分ならではの“見どころ”を見つけて、秋競馬をお楽しみください。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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