2冠馬不在の菊花賞の狙い方は?

2015年10月24日(土) 12:00


皐月賞に出てダービーには出なかった馬の優勝はなし

(先週のことはサッサと忘れて)今週は菊花賞です。

 今年の皐月賞とダービーはドゥラメンテが制しました。でも、今回の菊花賞は不出走。春の2冠馬が出てこなかった菊花賞は過去に7回あります。その勝ち馬一覧は以下のとおりです(カッコ内は“出なかった”春2冠馬)。

・1951年トラツクオー(トキノミノル) 5人気、皐8着・ダ15着、前走OP1着
・52年セントオー(クリノハナ) 1人気、ダ12着、前走OP1着
・71年ニホンピロムーテー(ヒカルイマイ) 1人気、皐10着・ダ8着、前走京都新聞杯1着
・75年コクサイプリンス(カブラヤオー) 4人気、前走京都新聞杯1着
・81年ミナガワマンナ(カツトップエース) 14人気、皐12着・ダ8着、前走京都新聞杯9着
・91年レオダーバン(トウカイテイオー) 3人気、ダ2着、前走セントライト記念3着
・97年マチカネフクキタル(サニーブライアン) 3人気、ダ7着、前走京都新聞杯1着

 ご覧のとおり、皐月賞にもダービーにも出ていなかった馬が勝ったのは1回だけ。皐月賞に出てダービーには出なかった馬の優勝はありません。こういう時は、ダービーで負けた馬を狙うのが王道のようです。

 じゃぁ、サトノラーゼンかリアルスティールでいいんでしょうか?上の一覧をよく見ると、ダービー“掲示板”(5着以内)から菊花賞馬になったのはレオダーバンだけ。むしろ7着以下に負けた馬の活躍が目立ちます。ちなみに、春2冠馬不在の菊花賞に出てきたダービー2着馬は3、17、2、2、1、5着、同4着馬は6、2、10着という成績。どちらかが馬券に絡みそうな雰囲気はあるものの、それ以上を期待するのはいかがなものでしょうか。

 だったら、ダービー6着以下→前哨戦1〜3着という馬、ですよね。キタサンブラックとミュゼエイリアンが前哨戦で好走しましたから、とりあえず“条件”はクリアしています。

 一方で、春2冠不出走組からは神戸新聞杯を勝ったリアファルが浮上。75年のコクサイプリンスによく似たパターン(春2冠不出走→前走・前哨戦重賞1着)です。ところが、同じステップを歩んだ91年のナイスネイチャ(春2冠不出走→京都新聞杯1着)は菊花賞で4着に敗れました。しかも、キタサンブラック、ミュゼエイリアンと同様、この馬も前に行って粘り込むタイプ。その3頭の中から1頭を狙うというのも勇気が要りますよ。

 ここはもうひとひねりして、ダービーで負けた馬からタンタアレグリア、春2冠不出走組からジュンツバサを狙ってみる手もありそうな気がするのですが(これもかなり大胆)。

 とはいえ、春2冠馬不在の菊花賞は97年以来18年ぶり。京都新聞杯が春に移行され、神戸新聞杯がトライアルレースになって以降は初めてのことです。過去のデータは当てはまらないかもしれませんね。今週もまた頭を悩ませている優柔不断の私であります(トホホ)。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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