2016年01月16日(土) 12:00
現時点で今年のダービー馬最有力候補は?と問われれば、多くの人がリオンディーズと答えるでしょう。私も、当コラム年頭恒例ネタ(と勝手に決めちゃった)のダービー予想で同馬の名前を挙げました。
なにしろ、あの朝日杯の勝ちっぷりです。もう優勝間違いなしと思われたエアスピネルを並ぶ間もなく抜き去っちゃったんですからね。デビュー戦も朝日杯も、上がり600メートルは33秒台前半でメンバー中最速。他の馬とは“エンジンが違う”ような内容でした。
ただし、06〜15年のダービー馬10頭の戦績を見ると、2歳時に重賞を勝っていた馬が4頭なのに対し、勝っていなかった馬が6頭と、後者がわずかにリードしています。そこで、その6頭と、それらが初めて勝った重賞を一覧にしてみました。
15年ドゥラメンテ=皐月賞 13年キズナ=毎日杯 11年オルフェーヴル=スプリングS 10年エイシンフラッシュ=京成杯 08年ディープスカイ=毎日杯 06年メイショウサムソン=スプリングS
こうして見ると、スプリングS、毎日杯、皐月賞で重賞初制覇を果たした馬でも、ダービーには間に合う、ということがわかります。逆に言えば、2歳時の重賞制覇はダービー馬になるための必要条件ではない、むしろ2歳時重賞未勝利馬のほうがコワイわけです。今年の場合、リオンディーズはかなり強そうですが、どこかに隠れた有力候補がいるんじゃないでしょうか。
でも、それを探すのはタイヘン。ふだんトレセン取材をしていない私は、いわゆる“極秘情報”を持ち合わせていないのです。netkeiba.comのデータベースなどで検索しながら、可能性のある馬を見つけ出さなくてはなりません。まぁ、そんなに力を入れて予想しても、どうせハズレる確率のほうが高そうですし、ハズレたからと言って責任を取らなきゃいけないものでもなさそうですから、気楽に、そして大胆にいきますよ!
まずは、リオンディーズもエアスピネルもキングカメハメハ産駒ですよね。その2頭以上の馬が同じ父親から出てくるとは考えにくいので、それは外します。それと、同一厩舎のダービー連覇は一度もありませんから、失礼ながら堀厩舎の馬も除外。さらに、いくらなんでもこれは短距離血統だろう、という馬も消します(これらの馬の関係者のみなさん、怒らないでください!)。もちろん、2歳時に重賞を勝った馬は対象外です。
さぁ、そこで浮かび上がった今年のダービー馬候補は?今週の京成杯次第ではありますが、プランスシャルマンとマイネルラフレシアを挙げておきます。あとはプロディガルサンとロイカバードになっちゃうんでしょうかねぇ(なんだか頼りない結論だなぁ)。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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