2016年03月16日(水) 18:01
▲今週もユーザーからの質問。「福永騎手から見て、今の武豊騎手はどう見えますか?」
Q.週末はテレビで競馬中継を観ています。その際、5歳の娘が「タケユタカはどれ?」と常に武豊騎手のことばかり聞いてきます(笑)。福永騎手から見て、今の豊騎手はどう見えますか? また、普段の豊騎手はどんな感じの人なんでしょうか?
A.偶然にも、昨日の3月15日がユタカさんの47歳の誕生日。蛯名さんも同じ年で、ノリさん(横山典騎手)が48歳、ヨシトミさん(柴田善騎手)が49歳(今年7月で50歳)。みなさん見た目もすごく若いし、今も現役バリバリなのは言うまでもないが、自分に置き換えて考えてみると、「俺も50歳近くまで元気で乗れるのかなぁ」と思って、ちょっとゾッとしたりすることも(笑)。ユタカさんがインタビューなどで「60歳まで現役を続けたい」と話しているのを聞くと、本当にすごいと思うし、自分にはとても真似できない。
普段のユタカさんはとても穏やかな人。どんな場面でも感情を露わにすることなく、常に冷静な人だ。この前、お世話になった先輩として四位さんの話を書いたが、ユタカさんもデビュー以来、ずっと可愛がってもらっている先輩のひとり。最近は、夜、自分があまり外出しなくなったのもあり、一緒にお酒を飲む機会も減ったが、数年前まではいろんなところに連れて行ってもらって、よくご馳走になっていた。
ユタカさんは昔から、プライベートで騎乗技術に関する話は一切しない。もしかしたら、最近は若手を相手に騎乗論などを話すこともあるのかもしれないが、少なくとも自分に限って言えば、そういった類の話をユタカさんにしてもらったことはない。だから、自分のなかでは、オフのときに競馬の話をするのはあまり好きではないのかなぁというイメージがある。
だから、技術的なことについて直接教えてもらったことはないのだが、コーナーワークや4コーナーから直線に向けての加速の仕方など、いつもさすがだなぁと思いながら勉強させてもらっている。あの難しい京都の下りをさらりと乗りこなすあたりも、きっとユタカさんだけのコツがあるのだろう。リーディング上位にして制裁が少ないのもユタカさんならでは。そこは何より見習うべき点だと思っている。
今のユタカさんがどう見えるかという質問の答えは、以前にも書いたが「唯一無二の存在」としか言いようがない。自分のなかでは今も昔も変わらず、“武豊”は“武豊”であり、あの存在感は、誰にも真似のできないものだ。今後、どれだけスター性を持ったジョッキーが現れても、ユタカさんの存在感を凌駕することはないと思う。
▲1月31日にJRA通算3800勝を達成した武豊騎手
Q.今、興味のあるスポーツ選手はいますか? 異業種で会ってみたい人がいれば教えてください。
A.興味があるのは、フィギュアスケートの羽生結弦くん。彼の話す言葉を聞いていると、独特の哲学に圧倒されるというか、単純に「この子はスゲーな」と思う。とても21歳とは思えないよね。一度会ってみたいとは思うけど、会ったら凄すぎて落ち込みそうな気もする(笑)。
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2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。
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