G1恒例の穴馬探しは“奇妙な一致”に期待

2016年04月09日(土) 12:00


メジャーエンブレムにはやや不利なデータが

 今週は桜花賞。いよいよ、春本番です。今年の1番人気はメジャーエンブレムで間違いないでしょうね。

 それにしても3枠5番とは、たいへんなクジを引き当てちゃったものです。ここ10年の桜花賞でこのゲートから出走した馬は、09年アイアムカミノマゴの6着が最高。2、4番と並んで、1度も3着以内に来たことがありません。

「そうは言っても、大して人気になった馬はいないだろう」って?よく覚えてますね。確かにそのとおり。この10年間では08年オディール=3番人気12着、06年テイエムプリキュア=3番人気8着というのがあったくらい。さらにそれ以前を調べてみたら、00年レディミューズ=2番人気6着、1989年アイドルマリー=2番人気6着と、人気に推された馬でもことごとく着外に敗れていることがわかりました。

 じゃあ、5番の馬が最後に勝ったのはいつでしょうか?答えは83年。シャダイソフィアが優勝しています。でも同馬は22頭立ての3番人気。5番ゲートに入った1番人気馬の優勝となると、その2年前の81年、ブロケードまでさかのぼらなければなりません。

 ついでに言うと、1970年代から80年代半ばまでは、5番の馬も好成績を挙げていたのです。上記2頭のほか、70年にタマミ(1番人気)、76年にテイタニヤ(2番人気)、80年にハギノトップレディ(2番人気)が優勝したほか、71年は7番人気のコマツモアーが3着、あのテスコガビーがブッチギリ優勝した75年にはジョーケンプトンが8番人気で2着に来ていました。それからすると、去年まで32年も出ていないのは不思議でもありますが…。

 先週の当コラムに、今年2月のクイーンCを4K映像で収録し、サンプル番組を作ったという話を書きました。このレースを制したのがメジャーエンブレム。番組では同馬のランニングフォームをハイモーション(スーパースロー映像)で再現したのですが、これが圧巻でした。後ろ脚を蹴り上げた時のお尻の上がり方がハンパじゃないんです。頭よりもかなり高く上がって、そのままだと“でんぐり返し”しちゃうんじゃないかと思うほど。それだけ後ろ脚の蹴りが強い、ってことです。

 そして、この体勢を支えているのが、強靱な胸前の筋肉とたくましさを感じるくらいの前脚。見事な“流線型”を保ちながら走っているというのが、よくわかりました。あの馬は相当強そうで、5番ゲートも鬼門にはならないと思いますよ。

 まぁそれでも、何が起きるかわからないのが競馬の常識。G1恒例の穴馬探しと行きましょう。今回は、前走のチューリップ賞で馬体重を減らし8着に敗れたレッドアヴァンセとしておきます。13年のレッドオーヴァルも、チューリップ賞を馬体重減で走りながら、本番で2着に健闘しています。“レッド”の馬の奇妙な一致。これに期待してみようというわけです。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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