ダイワスカーレット兄妹ときわめて似たタイプ/桜花賞

2016年04月09日(土) 18:00


ここまでの記録よりもっとレベルの高い内容を期待していいのではないか

 今年の最大のポイントは、人気のメジャーエンブレム、さらにはチューリップ賞組のシンハライトジュエラーのレベルはどのくらいのランクなのか。前哨戦の時計が示すほど強いのか、を再検証することにある。まず、阪神JFのメジャーエンブレム。1分34秒5はあの時点ではとくに速いわけではない。ただし、単に行っただけではなく、推定「47秒0-47秒5」のバランスで抜けた中身に、これからもまず崩れることはないと予感させる安定した総合スピードを示していた。今回とまったく同じ間隔で出走したクイーンCは、驚異のレースレコード1分32秒5=「46秒1-46秒4」だった。前年の小差2着馬ミッキークイーンが1分34秒0であり、それはレースレコードと同じ時計。だから、レースレコードを1秒5も短縮したのである。だが、当日の未勝利戦の着外馬でさえ1分34秒台であり、他のレースの時計をみると、1秒5近い馬場差のある高速の芝だった。バランスの良さ、最後まで11秒台のラップを楽々と連続させた点で、阪神JFよりスケールアップしたが、快レコードは数字が与える印象ほどの強さの証明ではない。

 1分32秒8=「46秒8-46秒0」のレースレコードで決着したチューリップ賞はどうか。ダイワスカーレット=ウオッカのレースレコードの1分33秒7を0秒9も更新しただけでなく、桜花賞レコードの1分33秒3をも0秒5も上回っているから、これはもうどうみても限りなく怪しい時計である。その証拠に、しんがり16着のアドマイヤリードが1分33秒9だった。ダイワスカーレットやウオッカと、ドンケツの馬でさえほぼ同じ時計で乗り切ったチューリップ賞の馬場はあまりに変。レースレベルは測りにくいが、同タイムの2着馬ジュエラーはシンザン記念の微差2着馬。1分34秒1で決着したシンザン記念のレベルは必ずしも高くない。

 他のレースから推測するに、結局・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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