2016年04月12日(火) 18:01
▲今年2月に起きた短期免許騎手の薬物問題について、JRA騎手としての考えを語る
Q. ルイス・コントレラス騎手の薬物問題について、「騎手として基本的なことすらできていない。こういう外国人に免許を与えているJRAは、責任を取らなくていいのだろうか。『今後はより徹底した指導をしたい』では済まされないように思う」というジョッキーのコメントがありましたが、これは福永さんのコメントですよね? 競馬界全体を見据えてこういった発言ができるのは、福永さんしかいないと思います。
A. 薬物問題に対してコメントを出した覚えがないから、残念ながら、この発言は自分のものではない。ただ、同じことを思っていたし、JRAジョッキーとしてあの件に関しては思うところはある。もちろん一番悪いのは本人だが、はっきり言って、JRAの責任は重大だし、身元引受馬主と調教師の責任も同様にあると思う。
まず、これだけ公正競馬に対する絶対的意識が高い日本が施行国であるのに、短期免許とはいえ、それを交付する外国人ジョッキーに対して、身体検査を含めたメディカルチェックをしていなかったというのは、完全にJRAのミスではないだろうか。今回はたまたまコントレラスがドーピング検査の対象となったから明るみになっただけで、これまでにもいたと考えられても何ら不思議はない。
今後は、(1)入国前に持ち込む医薬品のリストを提出、(2)申告が必要な医薬品を持ち込む際は、所定の手続きを踏んだ上、申告するように事前指導、(3)免許試験の際に、追加の医薬品の有無を含め、持ち込む薬品の再確認を行う、という3点を徹底するそうだが、はたしてそれだけでいいのだろうか。文化やルールの違う国から乗りにくるのだから、最低限、メディカルチェックは必要だと思うし、むしろそこに尽きるんじゃないかと思う。
また、コントレラスの一件があったあと、いつもより検査対象人数を増やし、複数人のJRAジョッキーに対して抜き打ちのドーピング検査が実施されたのだが、これには正直、憤りを覚えた。・・・
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2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。
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