2016年04月16日(土) 12:00
さて、今週は皐月賞。“3強”はそれぞれ3番、11番、16番ゲートを引き当てました。桜花賞同様、まずはこの枠に入った馬の成績を振り返ってみることにしましょう。
と思ったら、某スポーツ紙に「サトノダイヤモンドの11番枠からは、1970年のタニノムーティエを最後に優勝馬が出ていない」という記事が載りました。先を越されちゃったじゃないですか!
とはいえ、私も負けてはいられません。もう少し深くデータを掘り下げてみます。1970年に11番枠で勝ったタニノムーティエは1番人気でした。その後、11番枠に入り1〜3番人気に推された馬は8頭いて、その成績は2着1回(80年3番人気オペックホース)3着1回(02年1番人気タニノギムレット)。つまり、9頭中6頭=3回に2回の割合で人気を裏切ってしまっています。
一方、70年以降、16番枠で1〜3番人気になった馬は6頭いました。内訳は1着2回(2000年2番人気エアシャカール、09年3番人気アンライバルド)、3着2回(81年2番人気ステイード、05年3番人気アドマイヤジャパン)と、6頭中4頭が馬券対象になりました。
じゃあ、3番枠に入って1〜3番人気に推された馬は?これはちょっと驚きました。当てはまる馬は9頭いて、70年に2番人気のアローエクスプレスが2着になったのをはじめ、78年3番人気ファンタスト1着、79年3番人気ビンゴガルー1着、84年2番人気ビゼンニシキ2着、98年2番人気セイウンスカイ1着、2000年1番人気ダイタクリーヴァ2着、03年1番人気ネオユニヴァース1着と、7頭までが馬券の対象になり、優勝馬も4頭輩出しています。
ついでにいうと、3着に来られなかった2頭は、04年の3番人気コスモサンビームと05年の2番人気マイネルレコルトでともに4着。惜しいところまでは来ています。言い換えると、3番枠に“マイネル軍団”以外の1〜3番人気馬が入ったら、100%の確率で3着以内に来ているということ。今回の“3強”に枠順だけで印を付ければ、マカヒキが断然の◎で、対抗はリオンディーズ。サトノダイヤモンドは、たいへん失礼ながら△に近い▲といったところでしょうか。
それはそれとして、恒例の穴馬探しもしておかなければ。ここ10年の1〜3着馬30頭の中で6番人気以下だった馬は11頭いました。その前走は、若葉Sが4頭、スプリングSが3頭、弥生賞が2頭で、共同通信杯と京成杯が1頭ずつとなっていました。若葉S組がいくらか軽く見られているから、かもしれません。
そこでとりあえず、若葉S1、2着のアドマイヤダイオウとナムラシングンを穴馬として挙げておきます。“3強”の一角を崩すのはかなり難しそうですけどね。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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