世代No.1の能力をストレートに示したレース/優駿牝馬

2016年05月23日(月) 18:00


高い能力を秘めた馬が数多く存在

 桜花賞を、同着にも近いわずか2cmのハナ差で2着に負けたシンハライト(父ディープインパクト)が、その勝ち馬ジュエラーがいないなら、さらにはメジャーエンブレムのいない組み合わせなら、現時点でこの世代での能力No.1をストレートに示したオークスだった。

 前半、予測されたより後方に位置し、追い比べになった直線ではなかなか前方にスペースが見つからなかった。結果、騎乗停止処分(2日間)を受けるかなり気まずい騎乗になったが、これはシンハライトの能力とは直接には関係しないことである。初コースで、どの馬にとっても厳しい初の2400mを、最後にキチッと抜け出して2分25秒0。実力勝ちだった。

 この記録は昨年のミッキークイーンと並び、長いオークス史上、2012年のジェンティルドンナの2分23秒6に次ぐ史上2位タイの走破時計である。また、11着アットザシーサイド(父キングカメハメハ)まで、初の東京2400mを「2分25秒台」だった。2分23秒6のジェンティルドンナが独走した年に、離された着外の馬も2分25秒台だったことはあるが、今年は12着アウェイクまでが1秒0差以内だったから、2着チェッキーノ(父キングカメハメハ)以下、高い能力を秘めた馬が数多く存在するということだろう。

 池添騎手の勝利騎手インタビューにも出てきたが、おそらく多くのライバルが集結することになるはずの「秋の秋華賞2000mが楽しみ」である。メジャーエンブレムも秋は2000mの秋華賞だろうし、ジュエラーも軽度の剥離骨折なので、10月16日の秋華賞には間に合うかもしれない。

 レース全体の流れは、半マイル800mごとに3等分すると「47秒4-50秒4-47秒2」=2分25秒0。縦長になり、1000m通過「59秒8」だった前半は少し速いと思えたが、向こう正面に入った中盤から12秒台後半のラップが連続すると各馬に息が入り、最後の直線は「11秒4-11秒5-11秒6」=34秒5。余力のある馬は上がり「33秒台」が可能だった。

 チェッキーノは惜しかった・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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