昨年以上の価値がある内容/アイビスサマーダッシュ

2016年08月01日(月) 18:00


不確定要素がきわめて少なかった一戦

 限られた有力馬に人気が集中し、もたらされた結果は「1、2、3、4、6、5…」番人気の決着だった。見方によっては、身も蓋(ふた)もないような必然がもたらされたレースということになるが、根幹の重賞競走が、4着、5着、6着馬まで、だれが考えても「必然の結果」として決着することなど、年間に数えるほどしかない。

 新潟の良馬場の直線1000m。決着するタイムは、どの角度からだれが考えても「54秒0」前後であり、ここには、ほかのレースのように他馬が関わる「レース展開」という要素がない。自身が54秒0前後で乗り切らないことには、どうやっても勝ち負けは関係ない。

 少なくとも「54秒0前後から、54秒3-4」で乗り切れると考えられた有力馬が、その通りの時計で上位3着までを占め、そこに続いた4-6着馬は、「54秒台中盤なら…」と考えられた次につづくグループだった。未知の部分は捨てがたいが、この直線1000mを54秒台の中盤より速いタイムで乗り切るのは苦しいか…と考えられた伏兵グループは、残念ながら予測通りのスピード決着になったから通用しなかったのである。非常にストレートなレースだった。

 良くいえば、たまには理詰めの推理で正解に結びつくようなこんな明解なレースがあっても、原点に帰るかのようでいいかもしれない・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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