2016年08月13日(土) 12:00
そんな中、私は日本の夏には欠かせないビッグイベント、甲子園の高校野球を見てきました。10日の4試合と11日の3試合を“フル観戦”。両日ともに、夜は園田競馬の大御所・吉田勝彦アナウンサーと“サシの飲み会”もあって、中身の濃い関西滞在となりました。
私が初めて夏の高校野球をナマ観戦したのは、今からちょうど40年前(1976年)。高校1年生の時です。
最初に見たのが、第1試合=長崎・海星(サッシーと呼ばれた酒井圭一投手がエース)対広島・崇徳(同年春優勝。斎藤佑樹投手が早大にいた時に監督だった應武篤良サンが捕手)、第2試合=星陵(元中日の小松辰雄投手がエース)対天理(元巨人で現ソフトバンク三軍コーチの鈴木康友サンが遊撃手)、第3試合=沖縄・豊見城(元巨人の赤嶺賢勇投手がエース)対栃木・小山(同年春準優勝。黒田光弘投手がエース)という日。さらにこの時は、西東京代表の桜美林高校が、延長戦の末、菊池太陽選手のサヨナラ安打でPL学園を破って優勝した決勝戦も観戦しました。いやぁ、どの試合もおもしろかったですね。
でもそんなことをしていたので、夏休みの宿題をやり残し、9月に入って血眼になって仕上げたことを覚えています。いわゆる1つの“忘れられないあの夏の思い出”です。
ここ数年は毎年必ず“甲子園詣”に出かけていますが、そこで改めて思い知るのが“勝負の流れ”。いい流れが来ているときにそれに乗ることができれば、いとも簡単に得点が入ります。ところが、これに乗り損なうとタイヘン。強豪校でも苦戦しちゃうわけです。
また、流れが相手に行きそうな時にどれだけガマンができるかも勝負の分かれ目。お互い必死のガマン比べが、時として二転三転以上のシーソーゲームや大延長戦に至ることがあります。
これ、馬券の好不調とよく似ている気もするんですよね。いい流れの時は、新聞の馬柱の中から「これ」という馬が自然に浮かび上がってくるのですが、ダメな時はどんなに深く読み込んでもなかなか浮かんできません。当たり馬券を買い損なったとか、買っておけば当たっていた、なんていうレースの後は、たいがい、いい流れにはならないものです。
まぁ結局は、バントするところはきっちりバントするとか、狙い球を決めて思い切って振り抜くとか、とにかく迷うことなく、一貫した方針(作戦)で事に臨むのがベストなんでしょうね。臨機応変という言葉もありますが、これはヘタをするとウラ目、ウラ目が続いてしまうこともあり得ます。高校野球の選手や監督がよく言う「自分たちの野球をやるだけ」。馬券作戦もそれが一番かもしれません。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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