危険はあるが可能性に賭ける/札幌記念

2016年08月20日(土) 18:00


前回とはまさに一変

 秋の天皇賞2000mに向けて始動するモーリス(父スクリーンヒーロー)に距離延長は大丈夫だろうか。土曜日からの雨の影響は大きく、日曜日は洋芝の「重馬場〜不良馬場」になる危険が大きい。

 このコンディションで札幌の2000mをこなせば、スタミナ不安の大きいマイラーどころか、一転、パワー兼備の素晴らしい万能型のトップホースの評価を受けることになるが、あまりに厳しい距離延長初戦になった。

 転厩して本格化した4歳以降、体調一歩で前半からかかってしまった前回の安田記念2着以外は、マイルは無敵の6戦6勝だから、名マイラーの評価を受けるのは当然だが、外に出してかかり通しながら1分33秒2(上がり34秒0)でがんばったモーリスには、素晴らしいエンジンが搭載されていることが分かった。58キロの東京のマイル戦である。

 まだ若さ丸出しだった3歳春の京都新聞杯2200mも、負けたとはいえ2分11秒5であり、本物になる途中だった昨春の中山1800mのスピカSでは、後方から大外を回って上がり33秒8(最後の1ハロンは楽々と11秒を切る勢い)だった。

 2走前の香港のチャンピオンズマイルは、今回と同じモレイラ騎乗で、馬なり楽勝の1分34秒0。1600m以上の国際G1を馬なりで圧勝する馬などめったにいるものではない。検疫明けで不安を感じさせた前回とはまさに一変・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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