さらなる進展に期待/セプテンバーS

2016年09月23日(金) 18:00


初の中山も大きな死角ではない

 この夏から芝1200m路線に転向すると、福島のさくらんぼ特別をつつまれて1度下がり、脚を余した印象の1分08秒0(上がり33秒6)でハナ差2着。つづく中京のフィリピンTは、大外から上がり33秒1で猛然と伸びて1分07秒9。1000万特別を2馬身半差で楽勝した4歳牝馬メラグラーナ(父ファストネットロック)のさらなる進展に期待したい。

 一応は格上がりだが、7月だから旧オープン馬も、元1600万条件の4歳馬も数多く含まれたのが、条件再編成直後の新「1000万下」であり、自身も4歳のメラグラーナは1600万下に盛り返してきただけ。必ずしも格上がりではない。

 父ファストネットロックは豪州産のデインヒル直仔。ほとんどの勝ち星を芝1200m以下で記録し、豪チャンピオンスプリンターに輝いている。そのうえ、種牡馬となったファストネットロックは、デインヒル系らしく、産駒は短距離戦だけでなく英オークス馬、英チャンピオンSなどを制するスピードあふれる中距離タイプも送っている。短距離戦の多いオーストラリアではもちろんスプリンター型の父となり、もう2回も豪チャンピオン種牡馬になっている。

 メラグラーナは母も豪州産。牝馬ながら500キロを楽に超える馬体には、父母両系からくるタフな成長力もあるはずである。ファストネットロックが頭角を現したのも、満3歳をすぎ古馬になってからだった。

 牝馬だけにインでもまれるのは歓迎ではないが、幸い外の12番枠。重馬場も、ダートも、直線の坂もこなし、毎回のように出走場所も異なるから、初の中山も大きな死角ではない。キャリアは浅いがたちまちオープン馬になるだろう。

 今週はちょっと馬場状態も難しいハンデ戦なので、人気馬だけでなく、アドマイヤイナズマアルマエルナトなど、人気薄も含めて少し手広くいきたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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