2016年10月01日(土) 12:00
まずお断りしておきますが、マカヒキの応援馬券、とくに単勝やマカヒキを頭にした馬単、3連単を買おうとしている方は読まないほうがいいと思います。なにしろ、過去に日本馬の優勝がない、ということは、データ作戦ではそういう馬券は買えない、ってことになっちゃいますからね。
マカヒキのほかにも、「頭で買っちゃダメっぽい馬」はけっこう見つかりました。まず、ニューベイ、シルジャンズサガ、ファウンド、シルバーウェーヴ。この4頭は、去年の凱旋門賞に出走して、それぞれ3、8、9、10着に敗れています。
凱旋門賞敗戦経験馬が優勝した例は、1988年のトニービン(前年2着)以来ありません。ここ10年でも、07〜09年にユームザインが3年連続、12、13年にオルフェーヴル、14、15年にフリントシャーが2年連続で、いずれも2着になっています。つまり、初挑戦の時に勝ってしまわないと、あとはどう頑張っても2着止まり、というレースなのです。
しかも、過去のこのレースで3着以下に負けていた馬が勝ったのは85年のレインボークエスト(前年18着)が最後。30年以上も現れていないわけで、前記4頭が勝つのはよけいに難しいと言わざるを得ません。
それと、もう1つチェックしておきたいのが、2400メートル戦(ほぼ同距離の英愛ダービー&オークスを含む)の経験です。去年まで10年間の1〜3着馬31頭(08年は3着2頭同着)のうち、2400メートル戦を走ったことがなかったのは、13年3着のアンテロ1頭だけ。あとの30頭にはすべて出走経験があり、28頭に2400メートル戦の勝ちクラがありました。勝ったことがない2頭も、直前のヴェルメイユ賞3着(10年3着のサラフィナ)や、パリ大賞典3着+直前のニエル賞2着(07年3着のサガラ)といった、凱旋門賞と同じロンシャン2400メートル戦重賞で3着以内の実績を持っています。
今回のメンバーで言うと、2400メートルを超えるレースを中心に走ってきたオーダーオブセントジョージや、2400メートル戦未勝利でシャンティ2400メートル戦重賞の実績もないザグレーギャツビー、サヴォワヴィーヴルも、よほどのことがない限り1、2着するのは至難の業でしょう。
さらに、ここ10年の優勝馬は前走重賞(G1かニエル賞)5着以内、というデータでふるいにかけると、頭で買える馬は限られてきますよね。あまりにも順当な結論で申し訳ありませんが、筆頭候補はポストポンドになっちゃいます。前走英インターナショナルS優勝からの凱旋門賞制覇なら01年のサキー以来。しばらく出ていないのが気になりますけどね。
穴はレフトハンド。前例のないパターンでの優勝なら、そりゃあマカヒキですよ。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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