マイルでも強気に狙える/マイルCS南部杯

2016年10月09日(日) 18:00


驚きの快走だったフェブラリーS

 相手に恵まれたキタサンブラックが、ムリすることなく秋の始動戦を滑り出すだろう「京都大賞典」は、観るレースとしては必見だが、そう大きな注目を集めるレースでもない。そのG2をホゴにして東京の「グリーンチャンネルC」検討も気が引けるので、体系の中の重要度で上回るG1格の「南部杯」に挑戦する。  すでにG1格のレースを7勝もしているコパノリッキーに、同じく10勝のホッコータルマエ、さらにこの南部杯を2連勝しているベストウォーリアがいる素晴らしい組み合わせだが、強気の狙いはアスカノロマン(父アグネスデジタル)。3歳春から、ダート戦に的を絞り、ここまでダート【7-4-2-7】。制した重賞は平安S、東海Sだけにとどまり、1800-2000mに出走することがほとんど。ダート1600mにはたった1回しかない。

 だが、そのたった1回の、今春のフェブラリーS・1600mの内容が驚きの快走だった。マイルではスピード不足だろうと人気を落としたが、1分34秒0のレコードで勝った人気のモーニン追撃の構えを見せてジワジワ伸び、最後は外から追い込んできたノンコノユメと並んで伸びた。1分34秒2で小差3着。今回改めてマイルで対戦するコパノリッキーは1分34秒6で7着。ベストウォーリアは1分34秒2で4着である。

 芝の乱ペースの接戦だったりすると、そうは珍しくない伏兵の善戦はあるが、ダートG1のマイルの平均ペースなので、たまたまの快走ではない。「アスカノロマン←父は芝、ダートを問わずG1格6勝のアグネスデジタル←その父は桁違いにタフな後継馬を送ったクラフティプロスペクター←ミスタープロスペクター」。特性、特徴の継続なのである。

 前回は、大井の2000mでコパノリッキーに再逆転されているが、今回はアスカノロマンにとって2度目のダート1600m。直線の長い盛岡、ポン駆けは利くタイプ。フェブラリーSの再現に期待する。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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